質問本文情報
平成二十一年六月十日提出質問第五二二号
北方領土の不法占拠に関する質問主意書
北方領土の不法占拠に関する質問主意書
北方領土は、ソ連が一九四六年に四島を一方的に自国領として、すべての日本人を強制退去させた上で、今日に至るまでソ連、ロシアによる不法占拠が続いている。平成二一年五月二〇日の参議院予算委員会でも麻生総理が、「北方四島は一度として外国の領土となったことがないわが国固有の領土だ。ロシアの不法占拠が続いているのは極めて遺憾だ」と述べている。同五月三一日の読売新聞によれば、麻生総理は、北方領土問題について、「不法占拠が続いている。日本が独立した昭和二七年から以降、ずっと同じことしか言っていない」と述べている。
また、平成一七年一〇月三一日に鈴木宗男議員が提出した質問主意書の中の「不法占拠の定義如何」という質問に対して、政府は「一般に、不法占拠とは、法的根拠なくして占拠することを意味すると承知している」と回答している。
ところが、昭和三一年一一月二九日の参議院外務委員会における梶原茂嘉議員の質問に対して、下田武三政府委員は「ソ連の引き続き占拠することが不法なりとは、これまた言えない。国後、捉択等につきましては、これも日本はすぐ取り返すという主張をやめまして、継続審議で解決するという建前をとっております。従いまして、これにつきましても事実上ソ連が解決がつくまで押えてあるということを、日本は不問に付するという意味合いを持っておるのでありまするから、これもあながち不法占拠だということは言えません。要するに日本はあくまでも日本の領土だという建前を堅持しておりまして、実際上しばらくソ連による占拠を黙認するというのが現在の状態かと思います」と答弁している。また、一九五六年の日ソ共同宣言第九項には、「ソヴィエト社会主義共和国連邦は、日本国の要望にこたえかつ日本国の利益を考慮して、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する」とある。以上を踏まえた上で、質問する。
二 国後島と択捉島に対するロシアの支配は不法占拠か。
三 ウルップ島からシュムシュ島までの千島列島に対するロシアの支配は不法占拠か。
四 南樺太に対するロシアの支配は不法占拠か。
五 上記の昭和三一年一一月二九日の参議院外務委員会における政府答弁は現在も有効か。
六 日本政府が北方領土について不法占拠との認識を示したのはいつの時点からか。
右質問する。