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平成二十一年六月十五日提出
質問第五四六号

検察庁の信頼性に係る森英介法務大臣の見解等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




検察庁の信頼性に係る森英介法務大臣の見解等に関する質問主意書


 本年六月十二日、森英介法務大臣は閣議後の記者会見(以下、「会見」という。)で、民主党の小沢一郎前代表の秘書が逮捕・起訴されたいわゆる西松事件を巡る同党第三者委員会の報告書に、法務大臣の指揮権発動に言及したと読める部分があるとして、「看過できないものがある」と批判している。右を踏まえ、質問する。

一 「会見」において森大臣は「検察はこれまで一貫して不偏不党を旨として活動してきたのであって、私は検察に全幅の信頼をおいてその独立性中立性を尊重したい」と述べていると承知する。検察庁に対して森大臣が全幅の信頼を寄せていることは過去の答弁書においても明らかにされており、また、森大臣がそう考える根拠については、本年四月十日の政府答弁書(内閣衆質一七一第二六五号)において「刑事事件における検察の捜査・公判活動は、令状主義や証拠裁判主義等を規定した刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)に基づき行われている上、検察官は、検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)に基づき、公益の代表者として、刑事訴訟法を含む他の法令がその権限に属させた事務を行っているものと承知している。」との説明がなされている。一九九〇年、栃木県足利市で当時四歳の女児が殺害されたいわゆる足利事件で容疑者とされ、無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さんが、女児の下着に付着していた体液のDNA型が菅家さんのものとは一致しないとの鑑定結果が出たことを受け、本年六月四日、千葉刑務所から釈放された。同月十日、最高検察庁の伊藤鉄男次長検事は、午後三時半から開いた記者会見において、「真犯人とは思われない人を起訴し、服役させたことについて、大変申し訳ないことをしたと思っている」と、菅家さんに対して謝罪しているが、菅家さんが釈放され、足利事件は冤罪であったことがほぼ明らかになった今でも、森大臣として、右にある様に、検察庁に対して全幅の信頼を置いているのはなぜか。
二 森大臣として、検察庁による容疑者への取り調べの実態をどの程度把握しているか。
三 森大臣として、二〇〇八年九月二十四日に法務大臣に就任する以前、どの程度法務省所管の業務に携わってきたのか説明されたい。
四 森大臣が、検察庁はこれまで一貫して不偏不党を旨として活動してきており、検察に全幅の信頼を置いていると認識しているのは、検察庁のなすことに一切の誤りはないということ、つまり検察の無謬性を信じてやまないという意味か。
五 二〇〇二年六月十九日に東京地方検察庁特別捜査部に逮捕された当方の個別具体的な事例に関して言えば、当方の取り調べに当たった谷川宏太副部長は、三井物産と当方の関係を疑っており、谷川副部長が当方を取り調べるのと同時に、他の副部長が特命チームを組み、三井物産と当方の関係を調べていた。また、参考人、証人として聴取を受けた当方の関係者に対して、予め想定問答集を作成して強圧的な聴取を繰り返し、自分達のつくったシナリオに沿った供述をさせるべく、関係者を誘導していたことが、関係者が裁判所に提出し、当方が本年四月二十一日の衆議院決算行政監視委員会第四分科会及び六月十日の衆議院決算行政監視委員会において、同委員会の理事会で承認され、その写しを配布した陳述書によって明らかにされている。森大臣が、検察庁の活動は不偏不党であると認識し、同庁に全幅の信頼を置いていると言うのは、ただ単に検察庁の取り調べの実態を正確に把握せず、事実関係を承知していないからではないのか。

 右質問する。



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