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平成二十一年七月二日提出
質問第六三二号

政府による補正予算を用いたいわゆる国立漫画博物館建設の必要性等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




政府による補正予算を用いたいわゆる国立漫画博物館建設の必要性等に関する質問主意書


 本年四月二十一日、政府は総額十四兆七千億円に上る平成二十一年度補正予算案(以下、「二十一年度補正予算」という。)を発表した。「二十一年度補正予算」は、五月十三日に衆議院を通過し、同月二十九日成立した。先の質問主意書で、「二十一年度補正予算」の目的、必要性等、その意義を麻生太郎内閣総理大臣に問うたところ、これに対する答弁書(内閣衆質一七一第四五八号)では「政府としては、『景気の底割れ』を防ぎつつ、国民の安心を確保し、未来の成長力強化につなげるといった目的に沿って、経済の下支えに必要な事業や将来の成長力を高める事業等を厳選し、これらの事業に必要な経費を平成二十一年度第一次補正予算に計上したところである。」との答弁がなされている。「二十一年度補正予算」の中に三兆円の施設整備費が含まれており、その一環として、総額約百十七億円を用いた国立メディア芸術総合センター(仮称。以下、「センター」という。)建設の計画が含まれている。右と「政府答弁書」(内閣衆質一七一第五七五号)を踏まえ、質問する。

一 本年六月十七日に行われた国家基本政策委員会合同審査会、いわゆる党首討論において麻生総理は、「センター」につき、「また、アニメの殿堂の話を具体例としてされましたけれど、これは何も思いつきで私の段階から出たわけでも何でもない。これは、前々に、安倍内閣のときにこれがスタートし、福田内閣でこれを企画し、私のときに実行させていただいたというそれまでの経緯がございます。」と述べている。先の質問主意書で、そもそも「センター」の建設は、いつ、誰によって発案され、これまで政府内のどこの部署によって検討が重ねられ、どの様な経緯で今次決定されたのか問うたところ、「政府答弁書」では「文化庁では、『文化芸術の振興に関する基本的な方針』(平成十九年二月九日閣議決定)において『メディア芸術などの新しい文化芸術の国際的な拠点を形成することも検討する必要がある』とされたこと等を踏まえ、平成二十年七月に有識者を構成員とする『メディア芸術の国際的な拠点の整備に関する検討会』を設置し、『国立メディア芸術総合センター(仮称)』について検討してきたところである。同センターの設立については、先の答弁書(平成二十一年六月五日内閣衆質一七一第四五八号)一についてで述べた平成二十一年度第一次補正予算の目的に沿ったものであることから、同補正予算の編成過程において政府内部で調整を行い、必要な経費を計上したところである。」との答弁がなされている。麻生総理が言う様に、「センター」が麻生総理の思いつきで発案されたものではないのなら、なぜ緊急を要する補正予算ではなく、平成二十一年度本予算でその建設に対する予算が付けられなかったのか説明されたい。
二 前文の答弁にある様に、「二十一年度補正予算」の趣旨は「経済の下支えに必要な事業や将来の成長力を高める」というものである。「センター」については、「将来の成長力を高める」という観点から見ても、それがどれだけ雇用を増やすか、また将来においてどれだけ我が国の成長力を高めるのか、政府として具体的数値を挙げて説明できないことが過去の答弁書で明らかにされているが、「センター」がどの様に我が国の景気、経済の下支えに寄与するのか、再度政府の詳細な説明を求める。
三 「センター」を「経済の下支え」という観点から見ても、例えば生活保護の母子加算の復活、医師不足や地方の医師偏在問題の解決等と比較しても、「センター」が国民の安心、安全につながり、真に経済、景気を下支えするものであるとは到底言えないと思料する。当方としても、「センター」建設の意義を全て否定する気はないが、少なくとも「百年に一度」と麻生総理が形容する、現在我が国が直面している未曾有の不況を打開するための方策の一つにはそぐわず、喫緊の課題として「二十一年度補正予算」に組み込む必要性は低いと考える。政府として、「センター」の建設が生活保護の母子加算の復活等と比較しても「二十一年度補正予算」において優先されるべきと考えている理由を説明されたい。
四 先の質問主意書で、青木保文化庁長官が「センター」建設に関し、「こういう予算がつく機会は今後五十年、百年は来ないかもしれない」との発言をした事実はあるかと問うたところ、「政府答弁書」では「文化庁長官が御指摘のような発言をしたのは、事実である。」との答弁がなされている。右の青木長官の発言の真意如何。右発言は、「センター」建設に関する予算が、青木長官も予想していない形で、まさに「棚からぼた餅」的に付けられた、つまり、そもそも緊急の案件ではなかったものに急遽予算が付けられたということを表しているのではないか。

 右質問する。



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