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平成二十一年七月八日提出
質問第六五六号

村田良平元外務省事務次官が一九六〇年の日米安全保障条約改定時のいわゆる「核持ち込み密約」の存在を認めた件に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




村田良平元外務省事務次官が一九六〇年の日米安全保障条約改定時のいわゆる「核持ち込み密約」の存在を認めた件に関する再質問主意書


 本年六月二十九日付の毎日新聞一面に、「米核持ち込み 密約文書引き継ぐ 村田元次官『外相に説明』」との題で、一九八七年七月に外務省事務次官に就任した村田良平氏が、毎日新聞社の取材に対し、一九六〇年の日米安全保障条約改定時に核兵器を搭載した米軍の艦船や航空機が我が国に立ち寄ることを黙認するとしたいわゆる核持ち込み密約(以下、「密約」という。)の存在を認め、前任次官から文書で引き継ぎを受けていた旨答えた記事(以下、「毎日記事」という。)が掲載されている。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七一第六一二号)を踏まえ、再質問する。

一 前回質問主意書で、「毎日記事」にある様に、今次村田元次官が「密約」の存在を明らかにしたことは、国家公務員法第百条の規定に反するか。「毎日記事」には「村田氏によると、密約は『普通の事務用紙』一枚に書かれ、封筒に入っていた。前任者から『この内容は大臣に説明してくれよ』と渡され、八九年八月まで約二年間の在任中、当時の倉成正、宇野宗佑両外相(いずれも故人)に説明。後任次官にも引き継いだという。」との記述があるが、村田元次官が、前任及び後任の事務次官から「密約」の引き継ぎを受けた、また、引き継ぎをしたというのは事実かと問うたところ、「前回答弁書」では「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号。以下「日米安保条約」という。)の下での核兵器の持込みに関する事前協議制度についての日米間の合意は、日米安保条約第六条の実施に関する交換公文及びいわゆる藤山・マッカーサー口頭了解がすべてであり、秘密であると否とを問わずこの他に何らかの取決めがあるという事実はない。」との答弁がなされている。右は政府、特に外務省として、有りもしないものについて、あたかもそれが事実であるかの様に述べた村田元次官の証言及び「毎日記事」の内容は、ウソであると認識しているということか。同省においては、「日本国とアメリカ合衆国との間の…という事実はない。」と、ただ右答弁を繰り返すのではなく、ウソであると認識しているか否かの一点のみを明確に答えられたい。
二 前回質問主意書で、村田元次官に対しても、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。」と規定している国家公務員法第百条の規定は適用されるかと問うたところ、「前回答弁書」では「御指摘の者に、御指摘の規定は適用される。」との答弁がなされている。「毎日記事」にある様に、村田元次官が今次毎日新聞社の取材を受け、述べた内容の中で、右の規定に反する事由は認められるか。外務省の見解如何。なお、村田元次官が毎日新聞社に対してどの様な発言をしているかは、「毎日記事」に明確に書かれているところ、外務省においては、「記事中の発言内容等について承知していない」等として答弁を避けることのない様求める。
三 「前回答弁書」では、村田元次官の前任及び後任の外務省事務次官に、それぞれ柳谷謙介氏、栗山尚一氏の氏名が挙げられている。前回質問主意書で、右の二名は、現在何らかの公職に就いているかと問うたところ、「前回答弁書」では「お尋ねの『何らかの公職』の意味が必ずしも明らかではないため、お尋ねにお答えすることは困難である。」との答弁がなされている。例えば本年六月九日の政府答弁書(内閣衆質一七一第四七九号)で「お尋ねの『公職』の意味が必ずしも明らかではないが、川島裕は現在侍従長である。」との答弁がなされているが、当方が問うている「公職」とは、右答弁にある、川島裕元次官が現在就いている侍従長の様な官職等を指すものである。柳谷謙介氏、栗山尚一氏の二名は、現在右の様な官職等の公職に就いているか、再度質問する。
四 前回質問主意書で、「毎日記事」に関し、外務省は村田元次官から事前または事後に説明を受けているか、また、これまで村田元次官に何らかの意見を伝えているかと問うたところ、「前回答弁書」では「お尋ねの事実はない。」との答弁がなされているが、右はなぜか。
五 前回質問主意書で、質問主意書に対し、政府としてウソの内容を含む答弁をすることは認められているか、「密約」については、これまで累次に渡り質問主意書を提出しているが、政府、特に外務省として、右の当方の質問主意書に対し、ウソの内容を含む答弁をしたことはないかと問うたところ、「前回答弁書」では、「国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第七十四条に基づく質問に対し、誠実に答弁すべきものと考えており、質問の趣旨を踏まえて誠実に答弁してきている。」との答弁がなされている。質問主意書に対してウソの内容を含む答弁をすることは、右にある誠実な答弁に反するか。外務省の見解如何。

 右質問する。



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