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平成二十二年三月九日提出
質問第二三三号

高速増殖原型炉「もんじゅ」に関連する政治資金の支出に関する質問主意書

提出者  吉井英勝




高速増殖原型炉「もんじゅ」に関連する政治資金の支出に関する質問主意書


 高速増殖原型炉「もんじゅ」の運転再開が決まったが、「もんじゅ」の建設と運転に関しては、動力炉・核燃料開発事業団(以下、動燃事業団)の時代から、不適切な資金の支出があった。また、私は原子力施設立地をめぐって自治体における電力会社、原発メーカー等を含む買収行為や自治体関係者の逮捕、あるいは動燃事業団の監査の不適切さ等を指摘してきた。
 同事業団は、核燃料サイクル開発機構と組織・名称の変更の後、さらに独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下、原子力研究開発機構)と組織・名称の変更を行ってきた。この間、一九九五年十二月八日のナトリウム漏洩火災事故を起こした上、事故情報の隠蔽や情報の改竄を行って、国民の厳しい批判を受けた。
 本年二月二十五日の衆議院予算委員会第七分科会において、「もんじゅ」の問題を取り上げた。政府の方針で、高速増殖炉は原発推進政策の中でプルトニウム循環利用の柱に位置づけられているが、プルトニウムは強い毒性や放射能汚染の危険を持つ上、冷却と熱の伝達に使うナトリウムには空気や水と爆発的に反応して火災を起こす危険性がある。そのことによって炉心溶融等の重大事故を起こした場合には、広い範囲にわたって大きな被害をもたらすものである。
 その上、プルトニウムとナトリウムを利用する方式であることから、原子炉システムの構造が複雑で、将来の動力炉として活用することを政府が計画しても、一基当たりの建設費と運転コストは莫大なもので、軽水炉並みの採算ベースに乗せる実用化が困難なものである。高速増殖炉の開発は危険性、技術的困難性、採算性の面から諸外国では撤退したものである。したがって、「もんじゅ」の再開と高速増殖炉の開発計画はやめるべきであると、繰り返し指摘したところである。
 ところが、これを推進するばかりか、国民の財産である国費が、一部の政治家に「パーティー券購入」と称して還流していることが明らかになった。
 よって、次のとおり質問する。

(一) 動燃事業団以降、今日の原子力研究開発機構に至るまでの間の、同事業団と同機構OBの再就職(いわゆる天下り、以下同じ)先は原発メーカーや原子力安全基盤機構等を含め何社、何団体か。これら再就職先の企業名等と、これら企業等の各年度の動燃事業団・核燃料サイクル開発機構・原子力研究開発機構からの受注額を明らかにされたい。
(二) これら企業等の各年度の総売上額はいくらか。さらに、原子力研究開発機構からの受注額に占めるその割合は、いくらになるか明らかにされたい。また、その中で、動燃事業団、核燃料サイクル開発機構の時代以降、今日の原子力研究開発機構までの間に、財務諸表の上で子会社(連結子会社)扱いにされていた企業があればそれを示し、いつからいつまでの期間、どういう扱いになっていたかを明らかにされたい。
(三) 動燃事業団から今日の原子力研究開発機構に至るまでの間、再就職した同事業団と同機構OBの氏名と最終役職名、再就職先での役職名、待遇、就職期間をそれぞれ明らかにされたい。また、再就職したOBらは、報酬や給与に見合うどのような勤務実態があったのか。具体的にその内容を明らかにされたい。
(四) 動燃事業団から原子力研究開発機構に至るまで、同事業団と同機構OBが再就職した先の企業等の業務内容は何か。資本金、主な株主等を含めて明らかにされたい。
(五) 国税庁は、原子力研究開発機構からの再就職者がいる企業が「所得隠し」を行ったとして、合計約一億円を指摘しているとされるが、各社いくらずつ所得隠しを行っていたのか。また、これら企業には会計を監査する仕組みがないのか。
(六) 原子力研究開発機構は、業務の発注に当たって一般競争入札を行っているのか、随意契約を行っているのか。契約形態を、契約内容と企業別にそれぞれ明らかにされたい。あわせて契約金額を案件別に示されたい。また、国と原子力研究開発機構として、発注額が適正なものかどうかをどのようにして評価しているのか。
(七) 高速増殖原型炉「もんじゅ」関連だけでも、約二兆円の国費が投じられてきた。その一部がいわゆる天下り企業を経由して、知事や市長や国会議員の政治資金として流れることは、税金の還流として断じて許されるものではない。政治献金、政治資金パーティー券購入の形をとったこれらの政治資金の流れについて、総務省はどのように把握しているのか。誰がどういう団体を名乗って、いくら購入させたのか具体的に明らかにされたい。
(八) 政府として、このような形の税金の還流は適切で、問題のないものと考えているのか、それとも問題の解明に取り組む立場に立つのか、見解を明らかにされたい。

 右質問する。



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