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平成二十二年三月二十五日提出
質問第三〇七号

経済的理由で授業料を滞納している学生への支援に関する質問主意書

提出者  宮本岳志




経済的理由で授業料を滞納している学生への支援に関する質問主意書


 未曾有の経済危機のもとで、家計の収入が悪化し、大学の授業料を払いたくても払えない学生が急増している。授業料未納を理由に大学を除籍・退学となる学生が後を絶たないが、これは、教育基本法が「経済的地位による教育上の差別」を禁じていることに照らして、本来あってはならない事態である。政府としても、授業料を滞納している学生への支援を緊急に強める必要があると考える。
 従って、経済的理由で授業料を滞納している学生への支援に関し、次の事項について質問する。

一 ある国立大学四年生のFさんの場合、就職が決まったが授業料が払えず、このままでは除籍になると大学から通知を受けた。Fさんの父親は、半年前から融資してくれるところを探し、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」に申し込んだが、二年前に債務整理をしたため、借りることはできず、社会福祉協議会の「生活福祉資金」の貸付も、授業料滞納の理由では借りることはできなかった。
 1 大学において、卒業に必要な全課程を修了し、就職先も内定している学生が、授業料が未納という理由だけで年度末に除籍となり卒業できなくなるという残念な事態がおころうとしている。学校教育法施行規則は、第五八条で「全課程を修了したと認めた者には、卒業証書を授与しなければならない」と定め、この規定は「大学に準用する」(第一七三条)としている。この規定に照らして、こうした事態はあってはならないと考えるが、どうか。
 2 昨年三月二十五日の衆議院文部科学委員会における石井郁子衆議院議員(当時)の質問に対して、文科省は、高校授業料の滞納問題について「経済的理由などやむを得ない事情による授業料の未納は、生徒個人の責任ではございませんので、生徒の心情を最大限配慮した対応をとることが望ましい」「やむを得ない場合には、例えば奨学金とか授業料減免の措置をとったりいろいろな方法があると思いますので、まずはそういった丁寧な対応をして、生徒の心情を最大限に配慮した手続をとることが必要だ」と答弁している。これは、大学の授業料滞納においてもあてはまると考えるが、どうか。
二 授業料滞納者への大学の対応として、授業料が未納という理由だけで、除籍・退学とはならないよう、授業料の納期を年度末まで延期するだけでなく、奨学金の紹介や緊急の授業料減免の措置、年度を越えての納期の延期など、学生の立場にたった親身な支援が必要だと考えるが、どうか。
三 授業料未納を理由に大学を除籍・退学となっている学生は、全国で何人にのぼるのか、緊急に調査すべきだと考えるが、どうか。
四 現在の厳しい経済情勢のもとでは、融資を受ける条件のない父母が多数いると考えられる。日本学生支援機構の緊急採用・応急採用奨学金は、大学学部の場合で最大融資が月額十二万円であり、年度末近くになっても授業料を滞納している学生を想定しているものではない。教育基本法第四条第三項は、「経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない」と定めている。授業料滞納を理由に大学を除籍・退学とならないよう、国として無利子の貸付制度、あるいは緊急の免除制度を新たにつくる必要があると考えるが、どうか。

 右質問する。



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