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平成二十二年十月十九日提出
質問第七二号

尖閣諸島沖における衝突事件発生後の政府による邦人保護に関する再質問主意書

提出者  浅野貴博




尖閣諸島沖における衝突事件発生後の政府による邦人保護に関する再質問主意書


 本年九月七日、尖閣諸島周辺に侵入した中国漁船が、我が国の海上保安庁巡視船に衝突する事件(以下、「衝突事件」という。)が起きた。右を受け、同月八日、石垣海上保安部は同漁船の・其雄船長を公務執行妨害の容疑で逮捕した。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七六第五号)を踏まえ、再質問する。

一 前回質問主意書で、「衝突事件」発生後、中国各地で起きている反日団体による抗議デモにより、邦人の生命、財産が危機に晒されているという事実はないか政府、特に外務省として正確に把握しているか、また実際に邦人の生命、財産を保護すべく、政府、特に外務省として具体的な対応を取っているかと問うたところ、「前回答弁書」では「御指摘の『衝突事件』発生後に生じた中国国内の抗議行動等を受け、政府としては、速やかに中国国内の在留邦人に対する注意喚起を行うとともに、中国の関係当局に対し、邦人の安全確保を徹底するよう申し入れてきた。御指摘の『衝突事件』発生後の抗議行動等により、邦人の生命、財産が危機にさらされているという事実は承知していない。」との答弁がなされている。「衝突事件」に関連し、中国の四川省成都等の都市で十月十六日に大規模な抗議デモが起きた。またそれが飛び火し、翌十七日には同省の綿陽市で日本車が壊され、邦人が経営する店舗が襲われる事態が発生している。現時点で、邦人の生命、財産が危機に晒されているという事実はないのか。政府、特に外務省の見解を再度問う。
二 外務省として、今回の抗議デモとそれ以前のデモも含め、発生回数、場所、負傷者数等、その詳細を把握しているか。
三 外務省として、今回の抗議デモとそれ以前のデモも含め、邦人企業が受けた被害は金額で換算するといくらになるか把握しているか。
四 外務省として、今回の抗議デモが発生して以降、中国政府に対してどのような抗議をしているのか説明されたい。
五 本年十月十七日、中国外務省の馬朝旭報道局長は十六日の抗議デモについて、「一部群衆が日本側の誤った言動に憤慨するのは理解できる」と述べたと報道されている。右の馬局長の発言は、あたかも中国政府として、中国人民が抗議デモを行い、邦人の生命、財産に危害を加えることを黙認していることを示すものであると考えるが、外務省の見解如何。
六 外務省として、中国政府が今回の抗議デモをどれだけ厳しく取り締まっているか、同国政府として暗にデモを行うことを認める、または推奨していることはないか、正確に把握しているか。
七 一で触れたように、「前回答弁書」では「御指摘の『衝突事件』発生後に生じた中国国内の抗議行動等を受け、政府としては、速やかに中国国内の在留邦人に対する注意喚起を行うとともに、中国の関係当局に対し、邦人の安全確保を徹底するよう申し入れてきた。」との答弁がなされているが、今回の抗議デモが発生してから、政府、特に外務省として中国側にどのような抗議を行っているのか説明されたい。
八 政府、特に外務省として、中国政府に対し、今回のデモで邦人が被った被害の全額賠償並びに破壊活動を行った者の逮捕、そして謝罪を求めるべきであると考えるが、七の抗議の中で、右を求めているか。
九 政府、特に外務省として、丹羽宇一郎在中国日本国大使を本国に召還する、また一時帰国させ、今回の抗議デモについて詳細な事情を聞く考えはあるか。

 右質問する。



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