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平成二十二年十月二十五日提出
質問第八七号

電子化により消された戸籍に関する質問主意書

提出者  赤松正雄




電子化により消された戸籍に関する質問主意書


 戸籍の電子化に際し、元の戸籍から新しい戸籍へ除籍者を移記しないという国の姿勢に対し、遺族から「希望者には名前を載せてほしい」「すべて記載してほしい」といった声が多くあった。このたびの高齢者所在不明問題により、亡くなった方の戸籍が抹消されずに大量に残っていることが明るみになり、戸籍に対する不信感から、「亡き子が移記されないのは納得できない」といった声が再度寄せられるようになった。
 電子化されるまでは存在していた家族の名前が電子化に伴って正確に書き移されないということは、亡くなった人たちへの遺族の心情を思うにつけ、あってはならないことと思われる。
 今日、亡くなった家族がそのまま何十年もの長きにわたって戸籍から消されずに生きているかのごとく存在し続けている事例が続発する一方で、生きていた痕跡が遺族の承諾を得ないまま勝手に消されるということが起こっている。こうした事態が放置されたままであることは市民社会の安心と信頼を根底から揺るがすことになりかねない。
 したがって、次の事項について質問する。

一 死亡した家族の記載を電子化された戸籍に残してほしいといった要望はこれまでどれぐらい法務省に寄せられたのか。
二 遺族の承諾を得ないまま戸籍を移記しなかったことに対し、「遺族の心情には配慮が必要だろう」「納得のいく議論がなされないまま拙速に進められてきた印象がある」「せめて事前に連絡するべきではないか」といった指摘がある。
 1 こういった指摘に対し、国はどう考えているのか。
 2 法務省は、電子化への制度改正の際、電子化は「これまで十分になし得なかった戸籍事務の充実」や「多様化し複雑化している」市民からの要望への人員の振り向けというメリットがあると「市区町村から聞いておる」と答弁しているが、事前の説明をしなかったのであれば、今後、こういった方々へ、納得のいく説明をするよう自治体に求めていくべきではないか。
三 国は、亡くなった家族を証明したいのであれば「紙の戸籍の謄抄本をとっていただきたい」というが、「戸籍謄本は一家の帳簿。改製原戸籍とは世界が違う」と遺族は考えている。政府は、既に法が施行されていることから、対応は困難との態度であるが、そうした頑なな態度ではなく、遺族からの申し出に応じて、亡き夫や妻、子のデータを追加記載するべきであると考えるがどうか。

 右質問する。



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