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平成二十二年十一月十二日提出質問第一五七号
学校図書館の充実に関する質問主意書
提出者 秋葉賢也
学校図書館の充実に関する質問主意書
平成二十年六月に平成二十二年を「国民読書年」とする国会決議が衆・参の本会議でなされ、政官民協力の下、国をあげてあらゆる努力を重ねる旨、宣言されている。これを踏まえ本年七月には、文部科学省に「国民の読書推進に関する協力者会議」が設置された。この中で、国民の読書や読書環境の現状や課題を分析し、読書への国民の意識を高める効果的かつ効率的な取り組みを検討しているところである。すでに平成十九年度からの五年間で学校図書館図書標準の達成を目指し、総額約一千億円(単年度約二百億円)の地方財政措置を行う「新学校図書館図書整備五カ年計画」を策定し、毎年度地方財政措置が行われてきたところである。また、司書教諭の発令状況(平成二十年五月現在)は、十一学級以下では、小学校十九%、中学校二十五・八%、高等学校二十六・二%と低い水準となっているほか、学校図書館担当事務職員の配置状況(平成二十年五月現在)では、小学校三十八・二%、中学校三十九・二%、高等学校七十一・一%となっている。
しかし、学校図書館図書標準の達成状況(平成十九年度末)を鑑みると小学校四十五・二%、中学校三十九・四%と十分な環境が整っているとは言い難い。こうした現状を踏まえると、理想的な学校図書館の場を子どもたちに提供するため、学校図書館の環境整備は人的資源、物的資源ともに、急務であり、さらなる体制の強化が必要だと考える。右を踏まえ、以下質問する。
1 文部科学省の調査によると、平成二十一年度において、小・中学校で基準財政需要額に対する予算措置率が七十六・八%にとどまっている。さらに、都道府県別予算措置額では一学校あたり一位の愛知県(八十三万円)と最下位の青森県(二十六万円)では約三倍の格差が生じている。こうした現状に対して政府はどのように評価しているか。
2 「新学校図書館図書整備五カ年計画」では、平成十九年度から二十三年度までの五年間で総額一千億円の地方財政措置をするとされているが、平成二十三年度末までに学校図書館図書標準の達成は可能か。可能であるとするならば、そのためのロードマップを示されたい。
3 達成が不可能となった場合、追加の財政措置を行う考えはあるのか。行う考えのない場合は、地方自治体に対し、どのような指導を行っていくのか示されたい。
二 いわゆる「学校司書」(専門的な知識・経験を有する学校図書館担当事務職員。以下「学校司書」という。)は、司書教諭と異なり制度化されていない現在では、配置が適切に行われていない現状が現場の声から垣間見られる。地方自治体により取り組みは異なり、配置の少ない県からほぼ全校配置をしている県までまちまちである。
1 国として、学校司書の役割や重要性をどのように認識しているのか。
2 現職の学校司書の一方的な削減、配置転換や図書館業務を妨げる他業務の兼任を行わないことや退職者の補充を行うなどの雇用形態の改善をどのように現場に指導していくのか、今後の方針を示されたい。
3 今後、すべての学校図書館に専任・専門・正規の学校司書を配置する制度化の必要性についての見解と法制化に取り組む考えがあるのか示されたい。
4 司書教諭の果たす役割の重要性に鑑み、今後、十一学級以下の学校に対しても司書教諭を必置とすることについて、検討するのか否か、検討しないのであればその理由について示されたい。
右質問する。