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平成二十二年十一月二十五日提出
質問第一九七号

民主党政権の国益を損なう外交姿勢に関する質問主意書

提出者  木村太郎




民主党政権の国益を損なう外交姿勢に関する質問主意書


 鳩山前総理の米軍普天間飛行場の移設問題に端を発し、過日のAPECでは米国オバマ大統領との会談においての「日米同盟に関する共同文書」は来年に持ち越され、我が国の外交は機能不全、思考停止の状態である。
 本年九月初めの尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件においては、中国の圧力に屈し、勾留した船長を帰還させ、さらにはポツダム宣言受諾後、我が国の固有の領土である北方領土に無断で立ち入ったロシアのメドベージェフ大統領の国後島訪問と続いた。いずれも領土や主権国家の問題が密接に絡む国益の有事であり、日米同盟の機軸を空洞化してきた民主党政権の責任は重く、冷えた日米関係を察知し、その間隙を縫って中国、ロシアが傲岸な振る舞いに出てきたことは明らかであり、日本外交は、根本からの立て直しが急務である。
 かつての自公政権では、外交に係るいずれの重要事案においても、情報分析のため、通常内閣官房長官が所轄府省関係者を官邸に呼び協議していたが、現内閣は、特に尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で、一部の閣僚が政治主導と言いながら、検察当局に責任を押し付けた。夜を日に継ぐ国益を損なう外交姿勢に業を煮やした海上保安官が、尖閣ビデオを流出させたと言っても過言ではない。
 現政権下における官僚は、政治主導、特に政務三役により、自由を阻害され、士気を削がれている。頭脳と鋏と官僚は使い様であり、外交に浅薄な政務三役が、官僚の知恵と口を封じて指揮を執るため、一連の間違った外交姿勢が問われているものと考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 APECにおける米国オバマ大統領との「日米同盟に関する共同文書」が来年に持ち越されたことに関して、原因が奈辺にあると捉えているのか、菅内閣の見解如何。
二 APECにおける中国胡錦濤国家主席との会談は、わずか二十二分で終わった。しかも、菅総理はメモを取りながら俯き加減で弱々しい姿、一方の胡主席は堂々とした姿での様子がテレビで放映された。中国側では会談とは言わず、格下の国家首脳との会話といわんばかりの「懇談」と称していると聞く。これについてどのように捉えているのか、またわずか二十二分で思いの丈を述べることができたのか、菅内閣の見解如何。
三 我が国の固有の領土である北方領土に無断で立ち入ったロシアが、現在も領土支配の既成事実化を着々と進めていることに関して、北方領土は我が国固有の領土であることを主張する姿勢を持ち合わせているのか、菅内閣の見解如何。
四 二〜三に関して、世界地図を逆様にし、大陸側から日本を見た場合の米軍第七艦隊のプレゼンスをどのように捉えているのか、菅内閣の見解如何。
五 一〜四に関連し、係る事態に対処するため、かつて自公政権時の安倍内閣で、「国家安全保障に関する官邸機能強化会議」を設置し、第一六六回国会に「安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案」を提出したが、第一六八回国会で廃案となった。今後、同法案を最大限尊重し、早急にこのような対外情報、秘密保全などの官邸への情報委員会の設置をしていくべきと考えるが、菅内閣の見解如何。
六 一〜五に関連し、自公政権時には、重要な外交日程のある際には、幅広い意見を聞くため、事前に野党との党首会談等を臨機応変に設定していた。外交失態が続いている菅民主党政権だからこそ、その柔軟性があってもよいと考えるが、菅内閣の見解如何。

 右質問する。



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