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平成二十二年十二月一日提出
質問第二二九号

民生委員・児童委員制度の根幹に関する質問主意書

提出者  木村太郎




民生委員・児童委員制度の根幹に関する質問主意書


 大正五年五月、宮中で開催された地方長官会議において、大正天皇から当時の岡山県知事が、「県下の貧しい人々の状況はどうか」とのご下問を受け、調査した結果、極貧の生活状況にある人が一割に達していることが判明し、重大な事態に対応するため大正六年五月、「済世顧問設置規程」を公布したのが、現在の民生委員・児童委員制度の始まりである。
 近年、家族や地域の絆が希薄になっている中、高齢者、障がい者、子どもや子育て家庭の生活に様々な影響を及ぼし、現政権与党の夫婦別姓、外国人参政権などの間違った政策が煽動しているのではないかと憶測さえされるほど、強ち遠因ではないと言い切れぬ状況である。悲惨な事件や自然災害など後を絶たず、加えて経済・雇用情勢の悪化により、将来に対する不安を払拭できない現状において、民生委員・児童委員の果たす役割は今後ますます重要な位置を占めていくと思われる。
 現政権与党は、民生委員・児童委員の委嘱を地方に移譲するとの検討を進めていると聞く。冒頭に述べた通り、天皇陛下の認証官たる厚生労働大臣から委嘱されるという矜持と使命感が、無報酬の活動遂行の根幹をなしており、弱者をこれからどのように守り生活を支援していくのか、同制度のあるべき姿として、我が自由民主党の平成二十二年綱領にも謳っている「自助」「互助」「共助」「公助」をバランスよく機能させ、国の関与、支援を拡充することが重要と考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 主として都市部や住民同士の個人情報保護意識の高い地域において、自治会の非加入など地域とのつながりを好まない世帯が増加していることをどのように捉えているか、菅内閣の見解如何。
二 経済・雇用状況の悪化による失業、ニート、ひきこもりの若年層が増えてきていることに対して、どのように捉えているのか、菅内閣の見解如何。
三 地震や水害等の自然災害時における要援護者の把握、避難支援の活動には民生委員・児童委員が必要不可欠と考えるが、菅内閣の見解如何。
四 育児に対する不安、児童虐待、不登校、母子家庭などの問題を抱える親子は、その地域の中で孤立する傾向があり、その早期発見、問題解決を図っていくため、どのような対策を講じていこうとしているのか、菅内閣の見解如何。
五 一〜四に関連し、民生委員・児童委員制度について、「いのちを守る」ことを強調する現政権与党としてどのように捉えているのか、菅内閣の見解如何。
六 自公政権時に取り組んできた成年後見制度の調査において、地域格差が大きいことが浮き彫りになり、その要因として「(親族確認などの)事務手続きが煩雑」、「事務を担当する職員の確保が困難」などが市区町村から挙がった。民生委員・児童委員制度も同様の性格上、格差が生じる恐れがあることに鑑み、全国一律の制度として、厚生労働大臣からの委嘱は堅持されるべきと考えるが、菅内閣の見解如何。
七 今後の民生委員・児童委員制度の果たすべき役割、またその根幹をなす委嘱権限の役割について、菅内閣の見解如何。
八 同制度に対して、国として平成二十三年度予算編成ではどのように反映していこうとしているのか、具体的かつ明確に示されたい。

 右質問する。



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