質問本文情報
平成二十二年十二月一日提出質問第二四〇号
国家公務員の総人件費二割削減等に関する質問主意書
国家公務員の総人件費二割削減等に関する質問主意書
英国の財政再建においては、年金給付抑制、社会保障費削減など四年間で総額十兆円の歳出を削減するとされており、その中で、各省予算の二割を削減し、公務員については、その八パーセントに当たる四十九万人を削減するという徹底した財政再建策が表明されている。
翻って、我が国では、国と地方の借金が千百兆円になるとされていながら、財政再建は一向に遅々として進まず、その内容も非常に手ぬるいものとなっている。
与党である民主党の公務員制度改革・総人件費改革プロジェクトチームは、スト権を含む労働基本権付与などの公務員制度改革について検討し、年内には意見を集約し、政府に提言すると聞く。政府はこれを受けて来年の通常国会に公務員制度改革案を提出すると報道されている。
我が党は、以前より行政改革に積極的に取り組んでおり、自公政権において平成十七年からは国家公務員の総人件費改革を行い、五パーセント以上公務員の削減目標を達成してきている。
これまで民主党はマニフェストをはじめとする党の公式文書において、公務員の総人件費の二割、一・一兆円を削減するとし、ともに菅内閣総理大臣をはじめとする関係閣僚は、本年の給与改定について本年八月の人事院勧告を上回る公務員給与の削減、いわゆる「深掘り」を行う意向を表明していたにもかかわらず、この臨時会に、人事院勧告どおりの給与法改正案を提出、成立させた。これは、国民に対する重大な違約であると考える。また、給与法改正案に当たっては、この違約を取り繕うべく、「公務員の給与改定に関する取扱いについて」を閣議決定し、「次期通常国会に自律的労使関係制度を措置するための法案を提出し、交渉を通じた給与改定の実現を図り、その実現までの間においても、人件費を削減するための措置について検討し、必要な法案を次期通常国会から、順次、提出する」としている。こうした状況を踏まえ、以下質問する。
二 平成二十二年十一月十一日の衆議院総務委員会における我が党の谷委員の質問に対して、片山総務大臣は、国家公務員の総人件費削減について「真水でやるべしという意見は当然ある」旨答弁しているが、「真水」で、「国家公務員の総人件費二割削減」(総人件費一・一兆円の削減)が達成されたかどうかの判断における総人件費の削減額は、国の人件費の減少分をもって直ちに総人件費の削減とするのか、国の人件費の減少額と地方への財源措置額の差引額をもって総人件費の削減額とするのか、統一見解を伺いたい。
三 政府関係者の発言の中に、公務員への労働基本権の付与と、総人件費二割削減をリンクさせる考え方が散見されるが、労働基本権を付与した場合、給与の引上げを求めてくるのではないのか。政府は、公務員に労働基本権を付与すれば、簡単に人件費の大幅削減について労使で合意できると考えているのか伺いたい。考えているとしたら、その根拠についても明らかにされたい。
四 私が先国会に提出した「土地家屋調査士制度に関する質問主意書」に対する答弁書(内閣衆質一七五第五〇号)の中で政府は、「個々の出先機関の事務・権限の地方移譲等の取扱方針及びその実現に向けた工程やスケジュール並びに組織の在り方について明らかにする『アクション・プラン(仮称)』を年内目途に策定する予定であり、その策定過程において検討することとなるものと考えている」としているが、もう、既に十二月になり、年末が迫っている。さらに、民主党の地域主権調査会が十一月三十日に国の出先機関改革についての提言案をまとめたと聞く。政府は、この「アクション・プラン」について、いつ、どのような内容として策定するつもりなのか、進捗状況を含めて具体的に明らかにしていただきたい。
右質問する。