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平成二十三年二月十五日提出質問第六九号
「在留特別許可に係るガイドライン」の運用における家族の取扱い及び子どもの最善の利益の尊重に関する質問主意書
提出者 服部良一
「在留特別許可に係るガイドライン」の運用における家族の取扱い及び子どもの最善の利益の尊重に関する質問主意書
「在留特別許可に係るガイドライン」が平成二十一年七月に改訂されて以降、小学校高学年の子どもを持つ非正規滞在の外国籍者家族にも在留特別許可が出されるようになった。しかしながら一方において、中学生以上の子どものみが日本に残り、両親及び幼児は帰国するよう求められている非正規滞在家族の事例が散見されるところである。言うまでもなく、子どもには監護・養育する両親が必要であり、政府が、家族を分離するような決断を子どもに迫ることは人道的とは言えない。また、名古屋地方裁判所は平成二十二年十二月九日、名古屋入国管理局によるペルー国籍の六人家族の在留審査結果(三人に在留特別許可を出した一方で残り三人を強制退去処分とした)をめぐる訴訟で、「許否は家族を一体のものとして判断するのが相当」とする判決を出している。
「在留特別許可に係るガイドライン」の運用にあたっては、より弾力的な運用が必要であり、とりわけ家族の取扱い及び子どもの最善の利益の尊重については特段の配慮が必要であるとの観点から、以下質問する。
二 在留特別許可を求める非正規滞在の外国籍者家族に対し、入国管理局が親子の分離を強要あるいは誘導したと受けとめられる取扱い事例を承知しているか。
三 非正規滞在の外国籍者家族に対する在留特別許可の許否にあたり、親子が分離する結果となる場合には、いかなる配慮をもって許否判断にあたっているか。また、その配慮方針を、地方入国管理局にいかに周知徹底しているか。
四 「児童の権利に関する条約」における「児童に関するすべての措置をとるに当たっては、(略)児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。」(第三条第一項)との規定と、非正規滞在の外国籍者家族の子どもに対する「在留特別許可に係るガイドライン」の運用実態とをいかに合致させているか。
右質問する。