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平成二十三年五月二十五日提出
質問第二〇二号

地方公務員の給与削減に関する質問主意書

提出者  山口俊一




地方公務員の給与削減に関する質問主意書


 平成二十三年五月二十二日の朝日新聞四面に、「地方も給与削減を」との記事(以下「本記事」という。)が掲載された。これは地方交付税という地方固有の貴重な収入にかかわる事項について、表面的には地域主権を謳っている民主党政権が、中央からの一方的な押し付けで削減を強要する可能性を示すものであり、「地方に厳しい民主党政権」という本質を示したものであると認識する。
 これを踏まえて、次の事項について質問する。

一 本記事中に、「少なくとも地方交付税、義務教育費国庫負担金の国費負担を下げるべきだ」と野田財務大臣が閣僚懇談会で発言したとあるが、事実かお聞かせいただきたい。また、事実であれば、野田財務大臣の発言は、財務省の見解と理解するが、それでいいのかお聞かせいただきたい。
二 地方公共団体へ交付する地方交付税の総額や、義務教育にかかる経費の国庫負担の割合については、それぞれ法律により規定されていると理解しているが、事実関係をお聞かせいただきたい。また、これらに関し法律に規定している内容をお教えいただきたい。また野田財務大臣の主張する地方公共団体の交付税削減及び義務教育費国庫負担率の引き下げを実現するために改正が必要な法律の関係条項及び改正内容を網羅的にお教えいただきたい。
三 いわゆる三位一体の改革に際し、義務教育費国庫負担率の引き下げが行われたときに、国庫負担率が二分の一から三分の一への引き下げが行われると国が義務教育に対する責任を果たせなくなる旨の主張を文部科学省が行っていたと承知しているが、三分の一からさらに引き下げる場合、国の責任を果たすことが可能かお教えいただきたい。
四 仮に、地方交付税の交付額が下げられた場合、地方公共団体は地方公務員の給与を連動して下げなければならないのかお教えいただきたい。例えば地方交付税の減額分を地方公務員の給与の削減ではなく、投資的経費削減で穴埋めする場合は国からの指示に従わなかったとして法令違反に当たるのかお教えいただきたい。またその場合に補助金や特別交付税の減額や起債の制限等、何らかのペナルティが科せられる可能性があるのであれば、その具体的な内容をお教えいただきたい。
五 地方交付税の減額分を投資的経費削減で穴埋めするなどした場合、地方経済、ひいては我が国経済に深刻な影響を与えうると考えるが、政府の見解をお教えいただきたい。また、地方交付税の減額を受けて地方公務員の給与削減を行うことが地域経済に与える影響についても併せてお教えいただきたい。
六 義務教育に係る経費は、学級編成基準等が国により定められていることにより、地方公共団体の裁量により左右できる部分が少ないのではないかと考えるが、政府の見解をお聞かせいただきたい。仮にそうだとすれば、国の負担割合を引き下げることは単に国の負担の地方への転嫁に過ぎず、また逆に地方公共団体の裁量に基づく部分が大きいので、その部分を無駄だとして削減することを意図するのであれば、大変厳しい財政状況下での地方公共団体の懸命な取組みを踏みにじる暴挙であると考えるが、政府の見解をお聞かせいただきたい。
七 本記事中に「国がやったから自治体も一律何%下げろなんて全く愚策」との片山総務大臣の記者会見でのコメントが掲載されているが、この発言の事実関係及び片山総務大臣の現在の認識に関してお教えいただきたい。また、本記事中に菅総理は「まずは国が国家公務員の給与を下げることだ」と周囲に語っているとあるが、その事実関係及び菅総理は、地方交付税の交付額の減少あるいは義務教育費国庫負担率の引き下げを考えているのかいないのか、二者択一でお答えいただきたい。
八 これまで、地方公共団体は職員の給与削減等の歳出削減努力を惜しまず行い、かなりの成果を挙げていると認識するが、本年四月一日時点において地方公共団体独自に職員の給与削減(給与カット)を行っている地方公共団体名及び給与削減の内容を網羅的にお教えいただきたい。また総務省としてはこのような義務的経費に属する職員給与を独自に削減せざるを得ない地方公共団体が少なからず存在する地方財政の現況についてどう認識されているかお教えいただきたい。
九 財政制度等審議会では頻繁に「地方にはまだ無駄があり、地方交付税を削減すべき」との議論がなされているが、財務省の現在の地方財政の状況に対する認識をお教えいただきたい。
十 東日本大震災後、国は多くの被災地及び被災者支援策を講じているが、東日本大震災が大津波等による直接的な被災がなかった他の地域、特に西日本に対して与えた経済・社会的な影響とそれによる地域経済の落ち込みに対する政府の見解をお聞かせいただきたい。直接的な被害がなかった地域の余力を奪ってしまっては日本全体が沈没してしまう大恐慌となってしまう。地方公務員の給与削減を意図した地方交付税の削減により、全国の地域経済等を落ち込ませるのではなく、逆にこうした地域に経済対策を講じ、経済成長の牽引役を担ってもらうことにより、日本経済全体を回復に戻すことが必要であると考えるが、政府の見解をお聞かせいただきたい。二次補正以降の補正予算に、直接的な被災地以外の地域に対する経済対策を盛り込むことを考えておられるかについてもお教えいただきたい。

 右質問する。



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