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答弁本文情報

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平成二十三年六月三日受領
答弁第二〇二号

  内閣衆質一七七第二〇二号
  平成二十三年六月三日
内閣総理大臣 菅 直人

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員山口俊一君提出地方公務員の給与削減に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山口俊一君提出地方公務員の給与削減に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の事実はない。

二について

 「地方公共団体へ交付する地方交付税の総額」については、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第六条等において、地方交付税の総額を規定している。
 公立義務教育諸学校の教職員の給与費については、義務教育費国庫負担法(昭和二十七年法律第三百三号)第二条において、国はその経費の三分の一を負担すると規定している。
 また、お尋ねの「野田財務大臣の主張する地方公共団体の交付税削減及び義務教育費国庫負担率の引き下げを実現するために改正が必要な法律の関係条項及び改正内容」については、一についてで述べたとおり、お尋ねの前提となっている事実はないため、お答えすることは困難である。

三について

 義務教育費国庫負担率を「三分の一からさらに引き下げる場合」を前提とした仮定の御質問にお答えすることは差し控えたいが、義務教育費国庫負担金は、公立義務教育諸学校の教職員の給与費について、国がその三分の一を負担することにより、教育の機会均等とその水準の維持向上について、国が一定の責任を果たしているものと認識している。

四について

 地方公共団体の職員の給与については、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十四条の規定により、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して、当該地方公共団体の条例で定めることとされている。
 また、「地方交付税の交付額が下げられた場合」を前提とした仮定の御質問にお答えすることは差し控えたいが、一般論として申し上げれば、地方交付税は使途の定めのない一般財源であり、国は、その交付に当たり、条件を付け、又は使途を制限してはならないとされていることから、国は、地方公共団体に対し、地方交付税の交付に当たり、特定の支出の削減を義務付けることはできない。

五について

 「地方交付税の減額」を前提とした仮定の御質問にお答えすることは差し控えたいが、一般論として申し上げれば、地方公共団体による投資的経費や地方公務員給与の削減は地域経済に対して何らかの影響を与える要因になり得るものと考えているが、一方で、削減により確保した財源の活用については、様々な対応が考えられるため、全体として地域経済に対してどのような影響を与えるかについては、一概に申し上げることは困難である。

六について

 御指摘の「地方公共団体の裁量により左右できる部分が少ない」の意味するところが必ずしも明らかではないが、公立義務教育諸学校の教職員に係る人件費については、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和三十三年法律第百十六号)による学級編制の標準等に基づく教職員定数を算定の基礎としているところである。
 また、義務教育費国庫負担金について「国の負担割合を引き下げること」を前提とした仮定の御質問にお答えすることは差し控えたい。

七について

 平成二十三年五月二十日の記者会見において、片山総務大臣は、「国がこうやったから自治体も一律現状から何パーセント下げろなんてことを仮にやるとしたら、それはもう全く愚策なのですよね。」との発言をしている。総務省としては、この発言のとおり、地方公共団体に対して、今後、国会において法案の御審議をお願いすることとしている国家公務員の給与の引下げ(以下「国家公務員給与引下げ」という。)と同様の引下げを要請することは考えていない。
 また、菅内閣総理大臣が「周囲に語っ」たとされる記事の部分については、政府として、その事実関係の有無について申し上げる立場にはない。さらに、地方公共団体の職員の給与については四についてで述べたとおりであり、お尋ねの「地方交付税の交付額の減少あるいは義務教育費国庫負担率の引き下げ」を手段とすることを含め、国家公務員給与引下げと同様の引下げを地方公共団体に強制することは考えていない。

八及び九について

 平成二十三年四月一日現在の地方公共団体における独自の給与削減措置の状況については、調査中であり、現時点でお答えすることは困難である。
 なお、総務省が実施した「平成二十二年度給与削減措置の状況調」によれば、平成二十二年四月一日現在において、全地方公共団体の五十八・九パーセントに当たる千五十九団体が、独自に何らかの給与削減措置を実施しており、当該措置による影響額は、二千百八十八億円である。お尋ねの「地方公共団体名及び給与削減の内容」を網羅的にお答えすることは困難であるが、例えば、島根県においては、一般職の給料について部次長級(九級及び八級)十パーセント、課長級(七級及び六級)八パーセント、その他の職員(五級から一級)六パーセントの削減、管理職手当について部次長級(九級及び八級)二十五パーセント、課長級(七級及び六級)二十パーセントの削減等を実施している。
 総務省としては、地方財政は、地方税収が十分に確保されない中にあって社会保障関係費の増加や公債費が依然高水準であることなどにより、極めて厳しい状況にあるものと認識している。このような中、多くの地方公共団体においては、人事委員会等の勧告水準を下回る水準とする独自の給与削減措置を行い、自主的に財政健全化などの改革の取組を実施している。
 また、地方財政が厳しい状況にあるという認識については、財務省も同様である。

十について

 東日本大震災により、企業の生産活動の面では、原材料や資機材の供給不足などにより操業に支障が生じる一方、需要面では、消費者マインドの冷え込みや自粛ムードにより消費が減少するなど、被災地以外においても影響がみられている。
 政府としては、「政策推進指針〜日本の再生に向けて〜」(平成二十三年五月十七日閣議決定)に基づき、経済循環を早期に修復するなど、東日本大震災がもたらした制約を順次、確実に克服するとともに、新たな成長を実現する取組を強化し、日本経済の潜在的な成長力を回復するよう取り組むこととしており、平成二十三年度第二次補正予算については、講ずるべき施策の必要性・緊急性など、その中身や時期を見極めつつ検討してまいりたい。



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