質問本文情報
平成二十三年六月二日提出質問第二二四号
東日本大震災発生後の政府の対応についての内閣総理大臣の認識並びに自身の出処進退についての発言の真意等に関する質問主意書
東日本大震災発生後の政府の対応についての内閣総理大臣の認識並びに自身の出処進退についての発言の真意等に関する質問主意書
本年六月二日、菅直人内閣総理大臣は、衆議院本会議前の代議士会において次の発言をしている。
「私に不十分なところがあり、野党が不信任案を出すことにつながり、私の不十分さで皆さんにもご迷惑をかけることをおわびしたい。
三月十一日に発生した東日本大震災の復旧復興の道筋を付け、原発事故の一日も早い収束を図ることに全力を傾注せねばならない。被災者から『遅い』、『不十分だ』と厳しい指摘をいただき、私の指導力、考え方、不十分だった部分も多々あるが、政治家、国家公務員、地方公務員が全力を挙げて取り組んでいることはお互いに確認できるのではないか。
皆さんに三つ申し上げる。一つは復旧復興に向け、全身全霊をあげて最大限の努力をする。このことを国民の皆さんに改めてお約束したい。
二つ目は民主党を決して壊さない。壊してはならない。そういう根本に立って行動すると約束したい。三つ目は、自民党に政権を戻すことがないようにしっかり対応していく。このことを私の行動の基本に置いて進めることを約束する。
野党から『お前が総理では物事が進まないから地位を外れろ』と強い指摘をいただいている。『ありとあらゆることを、地位にしがみつくために発言し、行動している』と厳しい批判をいただいているが、その(総理の)立場、その地位に立った者として責任をしっかり果たせるかを考えて行動してきたつもりだ。
そうした中で、今回の震災を迎えた。私としては、大震災に取り組む一定のめどが付いた段階、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で、若い世代の皆さんにいろんな責任を引き継いでいただきたいと考えている。
私にはまだ、松山の五十三番札所から八十八番札所まで、お遍路を続ける約束も残っている。しかし、大震災、原発事故に一定のめどがつくまで、ぜひとも私にその責任を果たさせていただきたい。その責任を皆さんとともに果たさせていただきたい。
そのためにも、本日、野党から出される不信任案に、皆さん方の一致団結しての否決という対応をぜひお願いしたい。」
右の発言(以下、「総理発言」とする。)を踏まえ、以下質問する。
二 「総理発言」は民主党会派の代議士会において、報道機関に対してすべて公開されている中でなされたものであるが、右は内閣総理大臣としての公式な発言であると理解して良いか。確認を求める。
三 「総理発言」の中に、本年三月十一日に発生した東日本大震災、それに伴う福島第一原発事故に対する政府の対応についての言及があるが、菅総理として、これまでの対応をどう総括しているか。自身のリーダーシップ、政府部内の連絡体制、国民に対する情報開示等、対応全般について、反省点も含めどうであったと認識しているか、詳細に説明されたい。
四 「総理発言」の中に、「私としては、大震災に取り組む一定のめどが付いた段階、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で、若い世代の皆さんにいろんな責任を引き継いでいただきたいと考えている。」との部分があるが、右の「大震災に取り組む一定のめどが付いた段階」、「私がやるべき一定の役割が果たせた段階」とは、菅総理として、菅内閣として、つまり政府として、東日本大震災並びに福島第一原発の事故に関し、具体的にどのような対応が取れた段階のことを示しているのか、またそれは具体的に何年の何月頃を指しているのか、それぞれ詳細に説明されたい。
五 「総理発言」の中には、「若い世代の皆さんにいろんな責任を引き継いでいただきたいと考えている。」とあるが、右は菅総理として、四の段階の後に総理の職を辞することを明言したものと理解して良いか。
六 「総理発言」は、国民の代表たる国会議員が、特に政権を預かる与党議員の前でなされたものであり、右は国民に対する約束であり、菅総理はその内容を実行する責務を負うと考えるが、いかがか。
右質問する。