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平成二十三年七月四日提出
質問第二九五号

原子力発電所の安全基準に関する質問主意書

提出者  稲田朋美




原子力発電所の安全基準に関する質問主意書


 東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故及び政府による浜岡原子力発電所の全面停止要請を受けて、定期点検により運転を停止している原子力発電所の再稼働を要請された他の原子力発電所立地県が、再稼働を認める前提として、原子力発電所に関する新たな安全基準を示すよう求めている。そこで、次の事項について質問する。

一 福島第一原子力発電所における炉心溶融、放射性物質漏出事故の原因について、複数の事象が原因となっているものと推測されるが、現時点ですべての原因が明らかになったのか、まだ調査中なのか、明らかにされたい。
二 福島第一原子力発電所について、今回の地震の振動によりどのようなダメージが生じたのか、現時点で判明しているものを明らかにされたい。また、そのダメージが今回の事故の発生にどのように影響を及ぼしたのか明らかにされたい。
三 福島第一原子力発電所について、今回の地震の津波によりどのようなダメージが生じたのか、現時点で判明しているものを明らかにされたい。また、そのダメージが今回の事故の発生にどのように影響を及ぼしたのか明らかにされたい。
四 福島第一原子力発電所の今回の事故の原因のうち、マニュアル通りの対応がかえって事態を悪化させた、状況判断が不適切であった、人為的なミスがあったなど、ヒューマンファクターの原因について現時点で判明しているものを明らかにされたい。また、この原因が事故の発生にどのように影響を及ぼしたのか明らかにされたい。
五 福島第一原子力発電所における事故の原因について、運転開始後三〇年を超える高経年化事象が含まれるのか、もしくは、含まれる可能性があるのか明らかにされたい。またこの原因が事故の発生にどのように影響を及ぼしたのか明らかにされたい。
六 右二ないし五以外の原因について現時点で判明しているものを明らかにされたい。またこの原因が事故の発生にどのように影響を及ぼしたのか明らかにされたい。
七 右の質問に対する回答として挙げられた事故の原因について、かかる原因による事故の再発を防ぐために、どのような安全基準が設けられたのか、沸騰水型、加圧水型、高速増殖炉「もんじゅ」に採用されている溶融金属冷却炉(ナトリウム冷却炉)型の原子炉の形式ごとに明らかにされたい。また事故の原因について高経年化事象の可能性がある場合、再発防止のためにどのような安全基準が設けられるべきか原子炉の形式ごとに明らかにされたい。
八 七の回答として挙げられた安全基準について、東日本大震災で被災した原子力発電所以外の原子力発電所における確認状況を明らかにされたい。
九 福島第一原子力発電所における事故の原因のうち、現時点で判明していない原因について、今後原因が明らかになったときにどのように安全基準に反映するのか、原因が明らかでない現時点でどのような安全基準をもって他の原子力発電所の安全性を確認しているのか、明らかにされたい。
十 浜岡原子力発電所については、他の原子力発電所と扱いを異にし、全面停止を求め、再稼働要請も対象外としているが、浜岡原子力発電所については「福島第一原子力発電所の事故を引き起こしたものと同程度の津波により、全交流電源喪失に至ったとしても、炉心を管理された状態で維持し冷温停止状態につなげることができる対応の手順の整備や必要な機器の配備を行っていること」又は「防潮堤の整備や建屋の水密化など中長期対策を計画していること」のいずれか、又は両方が欠けているということか。あるいは、これ以外の安全基準項目において満足していない項目があるのであれば、その項目を明らかにされたい。安全基準項目で満足していない項目がないのであれば、他の原子力発電所と同じ安全基準が満たされているにもかかわらず、浜岡原子力発電所だけ特別扱いする根拠を明らかにされたい。
十一 今回の事故を踏まえて、想定外の事態によって原子炉の封じ込めに失敗し、放射性物質の大規模な漏出、拡散が発生することを前提とした対策も検討しなければならないと考えるが、そのような場合に備えて、どのような対策を行うのかを明らかにされたい。
十二 運転開始後四〇年を経過した高経年化プラントに関し、平成二三年二月七日付原子力安全・保安院「高経年化対策実施状況に対する確認の充実について」記載の確認の状況及び福島第一原子力発電所の事故を受けて、高経年化プラントについて追加された安全基準項目を明らかにされたい。
十三 菅内閣総理大臣がエネルギー基本計画を見直して原子力発電所の増設は行わないという方針を表明したが、高経年化した原子炉をそのまま使用し続けるのか、新たな原子炉を建設した上で、高経年化した原子炉を廃炉にするのか、現在建設中の原子炉の扱いについてどうするのかその趣旨を明らかにされたい。
十四 加圧水型の原子炉では高温停止から低温停止にもっていくためにはホウ酸水で冷やさなければならないが、そのときに窒素ガスが入る可能性があり、その点についての対策は十分ではないと思われる(平成二三年四月一三日衆議院経済産業委員会の私の質問に対する寺坂政府参考人の回答)が、その点についての現在の検討状況および安全対策について明らかにされたい。

 右質問する。



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