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平成二十四年三月二日提出
質問第一一三号

「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」に関する質問主意書

提出者  中島政希




「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」に関する質問主意書


 民主党政権は「官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治家主導の政治へ」を第一原則にした民主党マニフェストに依拠して誕生した政権である。続く平成二十二年参議院選挙時の民主党マニフェストには「行政刷新」を第一の公約に掲げ、「「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換を一層進めます」と謳った。「できるだけダムにたよらない治水」は民主党政権が実現すべき政策であり、そのためには行政の意思形成過程のより一層の透明化が不可欠であると考える。
 しかし、平成二十一年に国土交通大臣によって設置された諮問機関「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の運用実態を見ると、自由民主党政権下で平成十一年に閣議決定された「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」(以下、平成十一年閣議決定)で定められたことから、大きく後退していると言わざるを得ない。
 平成十一年閣議決定は、「審議会等については、いわゆる隠れみのになっている」との認識に立ち、平成十年に成立した中央省庁等改革基本法三十条(審議会等の整理及び合理化)に依拠している。基本法三十条における「審議会等」とは「国家行政組織法第八条に規定する合議制の機関」を意味するが、平成十一年閣議決定の「別紙4」には「懇談会等行政運営上の会合の開催に関する指針」として「行政運営上の参考に資するため、大臣等の決裁を経て、大臣等が行政機関職員以外の有識者等の参集を求める会合であって、同一名称の下に、同一者に、複数回、継続して参集を求めることを予定しているもの」を含めており、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」はこれにあたる。「懇談会等行政運営上の会合の開催に関する指針」は、「審議会等の公開に係る措置に準ずる」とされ、原則公開および「非公開とする場合には、その理由を明示する」ことが求められている。
 以上を踏まえ、以下質問する。

一 一般に、閣議決定を履行する責任は誰が負うべきものであるか。
二 「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の運営について
 1 「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議規約」によれば、「会議は原則として非公開で開催する」とあり、平成十一年閣議決定違反であると考えるが、政府の見解を示されたい。
 2 同会議は、平成二十一年十二月に設置されて以来、一般傍聴を求める要請が度々行われてきたと聞く。これらの要請は@いつ、Aどのように行われ、B誰がその対応を協議してきたか。@〜Bそれぞれについて説明されたい。
 3 2についての協議を行う際、平成十一年閣議決定との整合性について勘案したか。
 4 同会議を非公開とする理由を説明されたい。
三 平成二十四年二月二十二日に予定していた第二十二回「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」について
 1 一般傍聴を求める要請が前日までにあったと聞く。@誰からの要請に対し、Aどのように対応が協議され、非公開とされたか。@、Aそれぞれについて説明されたい。
 2 平成二十四年二月二十二日には、議題となる石木ダム計画予定地の住民等が会議室を訪れ、傍聴を求めたが、開催を中止し、流会したと聞く。@誰が、Aどのように協議し、この対応を決定したか。@、Aそれぞれについて説明されたい。
 3 審議結果によっては宅地、農地等が強制収用の対象となる可能性があるという切実な地域住民の代表が傍聴できない、という対応を取った合理的な理由とは何か。政府の見解を説明されたい。
 4 同会議の流会、延期等の方針について、@誰が、Aどのような理由で決めたか。@、Aそれぞれについて説明されたい。
 5 同会議の流会、延期等の方針について、出席委員たちには@誰が、Aどのように告げたか。Bその際、出席委員たちに理由を告げたか。@〜Bそれぞれについて説明されたい。
 6 委員の他、奥田建国土交通副大臣、津川祥吾国土交通大臣政務官が既に会議室に入室していたのにもかかわらず、流会が決定したことは通常では考えられないことである。
  @ このことについて、臨席していた奥田建国土交通副大臣の考えを説明されたい。
  A 同様に津川祥吾国土交通大臣政務官の考えを説明されたい。
  B 同日の運営について、前田武志国土交通大臣の認識を説明されたい。
 7 同会議の次第によれば、前田武志国土交通大臣は出席し、挨拶をする予定であったが、開催時間における前田武志国土交通大臣の行動を明らかにされたい。
 8 当日参集させたにもかかわらず、突然の流会により解散させた@委員の氏名、Aその諸謝金の取り扱いについて説明されたい。

 右質問する。



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