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平成二十四年三月三十日提出質問第一六四号
ナノテクノロジーに係る共用インフラの今後の展開に関する質問主意書
提出者 橘 慶一郎
ナノテクノロジーに係る共用インフラの今後の展開に関する質問主意書
ナノテクノロジーに係る研究インフラは、分子・物質科学の進展に欠かせない施設であり、我が国製造業の強みでもある材料・部品分野の新製品開発にも有効である。一面、これらの施設の建設・運営コストは高額であり、国においては、これら施設を産学官が共同利用し、研究成果を検討・情報交換できるようなネットワークづくりを進めてきたところである。ついては、平成十四年度から十八年度までの「ナノテクノロジー総合支援プロジェクト」、十九年度から二十三年度までの「ナノテクノロジーネットワーク」に続く第三期の取り組みとして、「ナノテクノロジープラットフォーム」が、事業期間を十年間として開始されるに当たり、今後の展開に関し、以下五項目にわたり質問する。
二 兵庫県播磨科学公園都市では、ナノテクノロジーに係る研究インフラとして活用されている大型放射光施設「スプリング8(SPring‐8)」に続いて、X線自由電子レーザー施設「サクラ(SACLA)」が本年三月に供用開始されたが、それぞれの施設の特徴及び重点的に取り組む研究課題を伺う。
三 「サクラ」については、二十四年度に供用開始が予定される京速コンピュータ「京」との連携を進めるための、情報通信基盤を構築することとされているが、具体的な内容を伺う。
四 一方、茨城県東海村で整備が進められていた大強度陽子加速器施設「J‐PARC」の物資・生命科学実験施設は、昨年十月に供用開始予定であったが、東日本大震災で被害を受け、復旧作業が進められた結果、本年一月に供用を開始したと聴いている。J‐PARCでは、陽子ビームで発生する中性子を生かした研究が行われるとのことであるが、「スプリング8」及び「サクラ」との当該施設の特徴及び研究課題の違いを伺う。
五 文部科学省が経済産業省とともに「ドリーム・チーム」を結成し、基礎科学研究の成果の実用化にさらに積極的に取り組む姿勢を取っていることを評価しつつ、「サクラ」のような大型研究施設や、「ナノテクノロジープラットフォーム」により、材料科学や生化学において実用化が期待される内容を伺う。
右質問する。