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平成二十四年五月二十一日提出
質問第二五九号

関越道での高速ツアーバスの事故に関する質問主意書

提出者  馳  浩




関越道での高速ツアーバスの事故に関する質問主意書


 群馬県の関越自動車道藤岡ジャンクション付近で、金沢から東京方面に向かっていた高速ツアーバスが防音壁に激突する凄惨な事故が起きた。事故の詳細が明らかになり、バス会社に多数の法令違反があったこと、事故を起こした運転手の歪な勤務実態等、業界を取り巻く過当競争の中で違法が常態化し、利益優先で安全面が疎かにされている体質が見えてきた。以前からツアーバスの仕組みそのものに大きな問題を抱えていることが指摘されてきたにも関わらず国の対応は後手に回った。このような不幸な事故が起こらぬよう、安全対策に早急に取り組む必要がある。
 以上を踏まえ以下の事項について質問する。

一 国土交通省のツアーバスへの監査体制が不十分であったのではないか。また、毎年度、監査を受けた二〜三割が行政処分の対象になるなど、違反が常態化しているという指摘もあるが、政府の見解を示されたい。
二 二〇〇〇年以降の規制緩和で、高速ツアーバスは貸し切りバス事業を免許制から許可制に移行したことにより、新規参入が急増し、過当競争による低価格化が安全コストの軽視に繋がったと指摘されているが、行き過ぎた規制緩和が及ぼした影響について政府はどのように認識しているか、見解を示されたい。
三 二〇一〇年の総務省の行政評価により、ツアーバスを含む貸切りバス事業への安全対策や効果的な監査の実施に関する勧告を受けていたにも関わらず、国土交通省の対応が後手に回り、効果的な対策が取られてこなかった。何故、すぐに対応を行わなかったのか、危機意識が薄かったのではないか。人命に関わる問題に対しては特に早急な対応が求められるべきだが、政府の見解は如何。
四 運転手一人の一日あたりの上限走行距離と運転時間は六七〇キロ、九時間と定められているが、総務省の行政評価では、運転手の健康面が配慮されていないと、見直しを求める指摘を以前からされてきた。今後の適切な上限走行距離、運転時間に関する見解を示されたい。
五 今回の事故の責任の所在はどこにあるのか。現行の制度では、ツアーを企画した旅行会社は安全責任を負わない制度になっており、そのことが責任の所在を曖昧にし、安全面がおろそかにされているとの指摘もある。旅行会社にも法的責任を負わせることで、安全責任の所在を明確にすべきでないか、政府の見解を示されたい。
六 夜間の長距離運行の際には交代要員を入れた運転手二人制度を義務付けるべきではないか、見解を示されたい。
七 今回の事故は道路構造上の問題が被害を拡大させたと指摘される。バスが事故を起こした地点は、ガードレールと防音壁の継ぎ目に隙間が生じる古い構造のもので、現在はガードレールが防音壁の内側まで延長され隙間が生じない構造になっている。このような国土交通省通達前の隙間がある古い構造物は全国でどれだけ存在するのか。また、隙間をうめる対策が急務ではないか、政府の見解を示されたい。
八 報道によると、事故を起こした運転手は中国出身で日本語に不自由があり、取り調べは中国語の通訳を介して行われているとされるが、日本語に不自由がありながらバスを運転できる大型二種免許が何故取得することが出来たのか。バスなどの旅客自動車の運行にあたり言語能力は問われることはないのか、政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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