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平成二十四年八月二十日提出
質問第三七〇号

韓国大統領による竹島訪問を受けての同問題解決に向けた野田佳彦内閣の取り組みに関する質問主意書

提出者  浅野貴博




韓国大統領による竹島訪問を受けての同問題解決に向けた野田佳彦内閣の取り組みに関する質問主意書


 本年八月十日、韓国の李明博大統領は、我が国固有の領土ではあるが韓国によって不法占拠されている竹島を訪問した。右を踏まえ、質問する。

一 一九五二年、いわゆる李承晩ラインの画定によって竹島が韓国に占拠されてから、同国の大統領が竹島を訪問することはこれまで一度もなかったと承知するが、政府の見解如何。
二 今回、韓国側が大統領による竹島訪問という新たな一歩を踏み出してきたことを受け、政府として、竹島問題解決に向けた我が国の取り組みを変更し、何らかの新たな取り組みを行う考えはあるか。
三 我が国が抱える領土問題は、ロシアとの間の北方領土問題、そして韓国との間の竹島問題の二つである。政府は二月七日を「北方領土の日」とし、主催、共催、または後援等様々な形で種々式典を行うことに関与している。一方で竹島に関しては、二〇〇五年に島根県が二月二十二日を「竹島の日」とする条例を制定したものの、政府としては島根県独自の取り組みとして何ら積極的な関与、協力をしてこなかった。毎年島根県で開催されている「竹島の日」の記念行事においても、政府からの出席者はおらず、代理の者も立てず、祝電、メッセージを送ることもしてこなかった。右の政府の過去の冷淡な対応が、韓国大統領による竹島訪問という事態を引き起こす下地の一つとなったと考えるが、政府の見解如何。
四 政府として、島根県独自の取り組みとするのではなく、政府の取り組みとして今後二月二十二日を「竹島の日」とする考えはあるか。
五 北方領土問題に関連し、政府はこれまで一九八九年、一九九一年、一九九八年、一九九九年に、ロシアの管轄権に服する形で北方領土を訪問することを控えるよう邦人に求める閣議了解を行っている。一方で竹島に関しては、右と同趣旨の閣議了解は存在しない。我が国が抱える二つの領土問題に関し、閣議了解の有無に違いがあったことも、今回の韓国大統領による竹島訪問という事態を引き起こす下地の一つとなったと考えるが、政府の見解如何。
六 政府として、五の北方領土問題に関連する閣議了解と同趣旨の閣議了解を、竹島に関しても定める考えはあるか。
七 北方領土問題に関しては、北方対策担当大臣という担当大臣があり、政府部内においても北方対策本部という専門部署が設定されている。一方で竹島に関しては、右大臣、部署と同趣旨の、竹島問題を担当する大臣、専門的に扱う部署はない。我が国が抱える二つの領土問題に関し、担当大臣並びに政府内の専門部署の有無に違いがあったことも、今回の韓国大統領による竹島訪問という事態を引き起こす下地の一つとなったと考えるが、政府の見解如何。
八 政府として、今後竹島を担当する大臣をつくり、かつ竹島問題を専門的に扱う部署を政府部内に設置する考えはあるか。
九 北方領土問題に関しては、昭和五十七年に「北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律」(いわゆる北特法)、昭和五十八年に「北方領土問題等の解決の促進を図るための基本方針」が制定されている。一方で竹島問題に関しては、右と同趣旨の法律、基本方針の制定はなされていない。我が国が抱える二つの領土問題に関し、法律並びに基本方針の有無に違いがあったことも、今回の韓国大統領による竹島訪問という事態を引き起こす下地の一つとなったと考えるが、政府の見解如何。
十 政府として、今後九の法律、基本方針と同趣旨のものを、竹島問題に関しても制定する考えはあるか。

 右質問する。



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