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平成二十四年八月二十四日提出
質問第三八八号

尖閣諸島を巡る諸情勢に対する政府の認識等に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




尖閣諸島を巡る諸情勢に対する政府の認識等に関する質問主意書


 本年八月十五日、香港の活動家ら十四名が我が国に不法入国し、そのうち数名が尖閣諸島に上陸するという事態が発生した。海上保安庁は同日十四名を逮捕し、同月十七日、十四名は退去強制処分となった。それに対抗する形で、日本人の市議会議員ら十名が同月十九日、尖閣諸島への上陸を強行するという事態も生じている。右の尖閣諸島を巡る昨今の諸情勢を踏まえ、質問する。

一 政府として、我が国国民に対し、我が国固有の領土でありながら尖閣諸島へ自由に上陸することを認めていないと承知するが、右の理由を説明されたい。
二 前文で触れたように、外国人が尖閣諸島に不法入国し、更に不法に上陸したことに対抗し、我が国国民が政府の意向に反して同島への上陸をするという事態が生じたことに関し、政府としてどのような見解を有しているか。
三 二で触れたような事態がさらにエスカレートし、中国側から不法入国、不法上陸する者がさらに増え、例えば大船団を組んで尖閣諸島を目指す、そして我が国の国民の中から、それに対抗して大挙を成して同島への上陸を試みるといった事態が今後生じた場合、日中関係は極めて危険な状況に陥り、同島を所管する沖縄県の県民はじめ多くの日本国民の生命と財産が危機に晒されることになると考える。政府として、右の事態、つまり尖閣諸島を巡る諸情勢が悪化し、日中の武力衝突へと発展する可能性について、どのような見解を有しているか。
四 竹島について、我が国としては、同島は我が国固有の領土であり、同島の領有権を巡る問題が日韓間に存在すると認識しているものの、一方で韓国としては、そもそも同島の領有権を巡る問題は存在していないというスタンスを採っていると承知するが、右に関する政府の認識如何。
五 尖閣諸島について、我が国としては、同島は我が国固有の領土であり、現に同島を有効に支配し続けていることもあり、その領有権を巡る問題は日中間のみならずどこの国家とも存在しないと認識しているものの、一方で中国としては、同島は同国の固有の領土であり、その領有権を巡る問題は日中間に存在するというスタンスを採っていると承知するが、右に関する政府の認識如何。
六 政府として、本年八月二十一日、韓国に対し、国際司法裁判所(ICJ)に竹島問題について共同提訴をすることを訴えていると承知する。右は、竹島の領有権を巡る問題が日韓間に存在することを、国際社会に認知させることが目的の一つであると考えて良いか。確認を求める。
七 六で触れた政府によるICJへの共同提訴の呼びかけと同趣旨で、現在中国側は尖閣の領有権を巡る問題が日中間に存在することを、国際社会に認知させるべく、様々な手を講じてきていると考えるが、政府の見解如何。
八 政府として、六で触れたように、竹島については、国際社会に領有権を巡る問題が存在することをアピールし、韓国との正式な交渉課題の一つに挙げることを目指す一方で、尖閣については、そもそも領有権を巡る問題は存在せず、中国側と何の協議もしないというスタンスを採ることは、国際社会においては、我が国がダブルスタンダードに基づいた外交を展開していると、良くない採られ方をされ、我が国が信頼を失う可能性があると考えるが、政府の見解如何。
九 右において種々指摘した尖閣諸島を巡る諸情勢を踏まえ、我が国として、尖閣諸島の領有権を主張している中国、または台湾と協議を行うことを拒否するのではなく、話し合いに応じて、歴史的経緯に裏付けされた我が国の主張を堂々と行い、同時に、日本国民は勿論、外国人でも我が国の管轄権に服する形でなら尖閣諸島に上陸できる仕組みを作る等、粛々と我が国による実効支配を強化していくべきではないのか。そうすることが、同島における武力衝突を回避し、我が国の国益を守ることにもつながると考えるが、政府の見解如何。

 右質問する。



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