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平成二十四年十一月六日提出
質問第二六号

米原子力艦船における重大事故による放射性物質の拡散予測に関する質問主意書

 提出者
 吉井英勝    赤嶺政賢




米原子力艦船における重大事故による放射性物質の拡散予測に関する質問主意書


 米軍は横須賀、佐世保、ホワイトビーチの各米軍港湾施設を、年間を通じて原子力艦船の母港や寄港地として使用している。三港湾は事実上、原発立地地域と変わらず、我が国は米軍基地問題だけでなく米国から原子力艦船における事故の危険性も押しつけられている。
 よって、次のとおり質問する。

(一) 原子力規制委員会は、原発の重大事故時の放射性物質の拡散予測「放射性物質の拡散シミュレーションの試算結果について」を十月二十四日に発表した(二十九日に修正)。前記の三港湾についても原子力艦船の重大事故時の拡散予測を発表するべきと考えるが、政府は具体的にどのように取り組むのか。
(二) 三港湾の周辺自治体が原子力災害に対する地域防災計画を立てることについて、政府はどのように自治体への支援を行うのか。従来どおり防災計画を作ることについては、「地方公共団体の判断によるもの」(石塚貢・科学技術庁原子力安全局長、一九八八年五月十三日の参議院科学技術特別委員会)という見解か。
(三) これまで政府は日本に寄港する米軍の原子力艦船について、米国政府との累次にわたる覚書等によって安全が保証されているので安全であると答えてきた。
 たとえば、二〇〇四年五月二十八日の衆議院外務委員会では、「米側の声明あるいは覚書、それに基づく措置ということによりまして、米国の原子力軍艦の寄港に際しての安全上の問題というものは十分確保されている」と答えている(海老原紳・外務省北米局長)。
 我々は、昨年三月十一日の東京電力・福島第一原発事故の数年前から、「巨大な地震と押し波と引き波を合わせた津波が老朽化した日本の原発を直撃し、外部電源も内部電源も失う全電源喪失になった時には、炉心溶融に至るのではないか」という警告を繰返し発してきた。しかし、東京電力も政府も「原発は炉心溶融のような事故を起こさない構造になっている」と答えるだけで、対応策を取らないできた。その結果、重大な事故を引き起こし、今日もなお十六万人を超える住民が避難を余儀なくされ、現在の生活も将来の生活再建の展望も生まれてこない事態が続いている。
 「累次にわたる覚書によって、米軍原子力艦船では原発事故は起こらない」というこれまでの見解(一九八八年五月十三日の参議院科学技術特別委員会での岡本行夫・外務省北米局安全保障課長の答弁、同じく石塚貢・科学技術庁原子力安全局長の答弁等)を、国民の前で証明できるか。できるとすれば、詳細に述べられたい。
(四) 横須賀港に停泊する米国の原子力空母ジョージ・ワシントンは、津波による事故、とりわけ引き波による着底、座礁、転覆及び冷却水の取水不能によりディーゼル発電機が焼きついて使用不能となる問題、あるいは炉心溶融になる問題が考えられる。また、佐世保やホワイトビーチには米原子力空母や米原子力潜水艦等がたびたび寄港しているが、どのような想定の下に対策をとっているかについては、何ら明らかにされていない。福島第一原発事故以降、米海軍の原子力軍艦の安全性に関してどのように説明を求め、把握しているのか。
(五) 三港湾で原子力艦船の事故が発生した場合、十万キロワット時の炉心溶融に伴う放射性物質の放出により、一週間及び一年間の累積放射線量で百ミリシーベルトを超える地域はどこまでと考えているのか。
(六) 沖縄に所在する米軍基地の総面積はいくらか。また、それと同等の面積に、補助対象としている単位面積当たりの発電量と同等の太陽光発電施設を設けるとすれば、何億キロワット時の発電電力量が得られ、それは現在の沖縄電力の販売量の何パーセントに当たることになるか。
(七) 政府は原子力規制委員会委員の今国会での事後同意を見送るために、原子力規制委員会設置法の附則に基づいて、十一月二日に原子力緊急事態宣言がされている旨を衆参両院に対して通知した。原子力緊急事態宣言が続いているのならば、福島第一原発の「冷温停止状態」、原発事故の収束宣言は撤回すべきではないか。撤回しないとすれば、その理由は何か。

 右質問する。



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