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平成二十四年十一月六日提出
質問第二八号

札幌保健医療大学はじめ三大学の新規設置を不認可とした文部科学大臣の判断の妥当性等に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




札幌保健医療大学はじめ三大学の新規設置を不認可とした文部科学大臣の判断の妥当性等に関する質問主意書


 本年十一月二日、田中眞紀子文部科学大臣は閣議後の定例記者会見につき、大学設置・学校法人審議会(以下、「設置審」とする。)により、新規設置をする上で必要な基準を満たしているとされた札幌保健医療大学、秋田公立美術大学、岡崎女子大学の三大学に関し、「設置審」の答申を否定し、不認可の判断を下した旨述べている。右を踏まえ、以下質問する。

一 「設置審」につき、その設立経緯、業務内容等、詳細を説明されたい。
二 大学の新規設置につき、「設置審」が審議する内容はどのようなものか、またどのような基準を満たせば大学の新規設置が認められるのか、詳細を説明されたい。
三 過去に、「設置審」による審議を経て、新規設置の基準を満たしたとされながら、文部科学大臣により不認可の判断が下された事例は、今回の田中大臣によるものを除き、過去にあるか。
四 三で、あるのなら、その件数並びに不認可の判断を下した文科大臣の名前、不認可の理由等の詳細を、一件ごとに全て明らかにされたい。更に、右につき、文科大臣が不認可とした後、改めて新規設置が認められたものがあれば、その事例についても明らかにされたい。
五 前文で触れた閣議後の定例記者会見で、田中大臣は、三大学の新規設置を不認可としたことにつき、以下のように述べている。
 「大学の問題。要するに設置審(大学設置・学校法人審議会)そのものについて抜本的にしっかり見直したいと思います。理由は戦後六十七年経過していますが、大半の委員が大学(関係者)で、大学同士がお互いに検討しているということもあります」
 「一番大きなことは大学の数が全国で約八〇〇ある。(中略)量よりも質です。その理由は大学教育の質自体がかなり低下してきていると。そのたびに就職できないことにもつながっています。それから、これだけ数がありますと、大学同士の競争も激化して、運営に問題があるというところは皆さんがご指摘なさっている通りです。(中略)設置審そのもののありようについて抜本的に見直ししたいと思います」
 「三校とも短大(正確には一校は専門学校)を四年制(大学)に新設したいということですので、これは残念ながら認可するわけにはいきません」
 「それもありますが、どういう大学を作っていくことが日本社会、世界に貢献するかという視点が六十七年間も同じルーティーンワークであると、やはり探せない、気付けない。ですから大学設置審は大変影響あると思いますので、どういう人材を作りたいかとか、多様な視点の方が入ってくださるようにします。主に大学同士でやっていると、遠慮もあるかもしれないし」
 「多すぎるというか質の問題。前からそういう認識は持っていましたが、最近、頻繁に。例えば堀越学園は極端なケースかもしれないけれども、それに類似していることもあると思います。短大が何で四年制にしたいのか、短大があった方がいいのかとか、地域性もあると思う。それだけの需要が本当にあるのか。詳しく分析をしていくような設置審であってほしい」
 また同月六日の閣議後の定例記者会見では、次のように述べている。
 「大学が乱立し少子化で経営難のところがある。日本の将来を見渡した場合、大臣として放置できない」
 「審議会答申を受けて判断するのは大臣の職能。大学の乱立に歯止めをかけて教育の質を向上させたい」
 要するに、三大学の教育内容、経営状況等、三大学それぞれの実情に問題があるという理由ではなく、我が国において大学の数が多すぎること、「設置審」のあり方に疑問を感じていることから、単純に新規設置を認めないという判断を下したものと思われるが、いかがか。
六 田中大臣として、五で挙げたような我が国における大学の数や「設置審」のあり方とは全く別に、その教育内容、経営状況等、今回新規設置を認めないとした三大学それぞれの実情につき、どんな問題があったと考えているのか、またそのような事情をいつ把握したのか、詳細に説明されたい。
七 田中大臣は本年十一月六日の閣議後の定例記者会見で、「できれば年内に認可基準を見直し、新しい基準に照らしてもう一回審査する」と述べ、三大学につき、今後認可する可能性についても言及している。右の新しい基準とはどのようなものか。右の新しい基準では、これまでの「設置審」の基準では図ることが出来なかった、三大学の新規設置の意義が見出すことができるのか。詳細に説明されたい。
八 今回、田中大臣が不認可の判断を下したことで、既に生徒の募集等、新規設置に向けて準備していた三大学並びに入学を希望していた生徒は、大変な混乱を来たしていると考えるが、右につき、田中大臣としてどのような認識を有しているか。

 右質問する。



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