質問本文情報
平成二十四年十一月八日提出質問第三五号
札幌保健医療大学はじめ三大学の新規設置に係る文部科学大臣の一連の発言の変化等に関する質問主意書
提出者 浅野貴博
札幌保健医療大学はじめ三大学の新規設置に係る文部科学大臣の一連の発言の変化等に関する質問主意書
本年十一月二日、田中眞紀子文部科学大臣は閣議後の定例記者会見につき、大学設置・学校法人審議会(以下、「設置審」とする。)により、新規設置をする上で必要な基準を満たしているとされた札幌保健医療大学、秋田公立美術大学、岡崎女子大学の三大学に関し、「設置審」の答申を否定し、不認可の判断を下した旨述べている。その一方で田中大臣は、その後時間が経過するにつれ、発言内容が徐々に変わり、最終的には同月七日、文部科学委員会後の記者会見において、「彼らを認可する」と述べ、三大学の新設を一転認める旨の発言をしている。右の一連の経緯を踏まえ、以下質問する。
(十一月二日:閣議後の記者会見で)
〇「あと他に三校ありまして、これは短大などです三校とも。短大などを廃止して四年制にぜひ新設をしたいということですので、これは残念ながら認可するわけにはいきません。」
〇「見直しを行う間は、大学の新設を認めない」
その一方で、次のような発言もしている。
(十一月七日:文部科学委員会での審議で)
△「現時点では不認可という行政処分は行っていない」
△「現在、不認可という処分は行っていない」
△「現時点では不認可処分は行っておらず、説明不足で誤解を生んだ」
△「三大学も世間も誤解している。不認可の処分はまだ行っていない」
更には、以下のように一転して認可する意向を示している。
(十一月七日:文部科学委員会後の記者会見で)
□「彼ら(三大学)を認可する」
十一月二日、閣議後の記者会見で、右で挙げたように認可しない旨明言をしていた時点で、田中大臣として、いつ、具体的に不認可の行政処分を実際に行う考えでいたのか、またそれがいつ頃、どのような理由により変化し、結果として認可する意向を示すに至ったのか、詳細に説明されたい。
二 一の経緯に関連し、田中大臣として、三大学の新規設置を認める行政処分をいつ実際に行う考えでいるのか、明確に説明されたい。
三 田中大臣は当初、三大学の新規設置を「設置審」ではなく新しい仕組みで行う旨、例えば以下のような発言をしていた。
(十一月六日:閣議後の記者会見で)
〇「新しい仕組みを早く立ち上げ、三大学を含めて新しい基準で改めて判断したい」
〇「三大学については、いまの仕組みの上では認められないが、見直し後、改めて判断する」
〇「今の設置認可の仕組みを見直した後、新しい基準で改めて(三大学について)判断します」
〇「早めに結論を出したい。年内にできれば一番いい」
(十一月七日:文部科学委員会での審議で)
〇「従来の仕組みでは認めることができない」
〇「できるだけ早く新基準をつくり、三大学も新基準で判断したい」
〇「新しいルールの下であれば認可の機会はある」
〇「三大学は新しいルールの下で審査する」
しかしその後、三大学については新しい仕組みではなく、現行制度で対応する旨、発言している。
(十一月七日:文部科学委員会での審議で)
△「認可のあり方を抜本的に見直す。三大学は現行制度で対応する」
△「三大学の新設については、諸般の事情もかんがみ、現行制度にのっとり、適切に対応する」
右のように、田中大臣の認識が一八〇度転換した理由は何か、転換する間、具体的に誰による働きかけを受けたのか、具体的かつ明快な説明を求める。
四 田中大臣として、「設置審」のあり方の見直しを含め、大学の新規設置の是非を審議する方法等につき、どのような組織を設置し、またどのような人物を選任し、誰の責任の下、いつまでに結論を出す考えでいるのか、具体的に説明されたい。
五 これまで述べた三大学の新規設置を巡る一連の経緯に関し、田中大臣は以下のような発言をしていた。
(十一月七日:衆議院文部科学委員会)
〇「事務方も真意をくみ取れず、誤解を招いた」
〇「事務方が真意をくみ取れずに、記者に対して不認可の処分を行うとの説明をした」
田中大臣の言う右の事務方とは、文部科学省のどの部署を指しているのか。
六 三大学の新規設置の認可を巡り、田中大臣と五の部署との間でどのような意思疎通を行い、またどのような点で十分な相互理解が出来なかったというのか、詳細に説明されたい。
七 これまで述べた三大学の新規設置を巡る一連の経緯に関し、田中大臣は十一月七日の記者会見で、三大学にとって今回の経緯が逆に良い宣伝となり、四、五年後はブームになるかもしれない旨の発言をしていると承知するが、確認を求める。
八 七の田中大臣の発言に対する野田佳彦内閣総理大臣の見解如何。右の発言は適切であるか。
九 政府、特に文部科学省として、三大学の新規設置を巡る今回の一連の経緯が、三大学の宣伝となり、四、五年後に三大学の入学応募者が増える事態につながると考えているか。
十 前文を含め、一から九で触れた、三大学の新規設置は認められないとした田中大臣の発言に端を発した一連の経緯、騒動に対し、野田総理としてどのような見解を有しているか。右は、いたずらに三大学に入学を希望していた学生はじめ現場関係者、そして幅広い世間を混乱させることとなったと考えるが、いかがか。
右質問する。