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平成二十四年十一月九日提出
質問第四一号

いわゆる東京電力女性社員殺害事件で無期懲役とされた人物の無罪が明らかになった件に関する再質問主意書

提出者  浅野貴博




いわゆる東京電力女性社員殺害事件で無期懲役とされた人物の無罪が明らかになった件に関する再質問主意書


 一九九七年三月、東京都渋谷区で当時東京電力に勤めていた女性社員の遺体が見つかった、いわゆる東京電力女性社員殺害事件(以下、「事件」とする。)で犯人とされ、二〇〇三年に無期懲役が確定していたネパール国籍のゴビンダ・プラサド・マイナリ氏の再審第一回公判が、本年十月二十九日、東京高裁で行われた。検察側は、「被告人以外が犯人である可能性を否定できず、被告人は無罪」との意見を述べている。そして十一月七日、マイナリ氏の無罪が確定した。「前回答弁書」(内閣衆質一八一第一五号)では、逮捕されてから十五年以上もの長きに渡り、マイナリ氏が拘束されたことにつき、政府、特に検察庁として、マイナリ氏に正式に謝罪をする考えはあるか等の質問に対し、「検察当局においては、『検察官が従来の主張を変更したのは、確定審の段階では技術的に困難であった鑑定が、その後の科学技術の進歩によって可能となったことなどによるものであり、また、検察官が殊更に証拠を隠したなどの事実も認められず、その捜査・公判活動に特段の問題はなかったと考えているが、結果として、無罪と認められるゴビンダ・プラサド・マイナリ氏を、犯人として長期間身柄拘束したことについては、誠に申し訳なく思っている。』旨発表したものと承知している。」との答弁がなされている。右を踏まえ、再質問する。

一 政府、特に検察庁として、しかるべき責任者がマイナリ氏に面会し、直接謝罪をする考えはあるか。
二 一で、ないのなら、それはなぜか。一九九〇年、栃木県足利市で当時四歳の女児が殺害されたいわゆる足利事件で容疑者とされ、無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さんが、女児の下着に付着していた体液のDNA型が菅家さんのものとは一致しないとの鑑定結果が出たことを受け、二〇〇九年六月四日、千葉刑務所から釈放された。右の事態を受け、同年十月五日、宇都宮地方検察庁の幕田英雄検事正は、菅家さん本人と面会し、「無実の菅家さんに長年にわたって苦痛を与えてしまい、申し訳なく思う。この気持は検事総長、そして当時取調べを担当した検察官も同じ気持ちだ」旨述べ、直接謝罪をしているが、同様の対応をマイナリ氏に対してはしないのはなぜか。
三 「前回答弁書」では「検察当局においては、御指摘の事件の捜査・公判活動について、既に検討を重ねており、結果として、無罪と認められるマイナリ氏を長期間身柄拘束する事態が生じたことを踏まえ、本件で得られた教訓を、部内に周知するなどして今後の捜査・公判にいかしていくものと承知している。」との答弁がなされている。マイナリ氏の事例を経て、検察庁として得た教訓とはどのようなものか。またそれを、今後どのようにして国民に公表するのか。それぞれ具体的に説明されたい。
四 三の答弁には「部内に周知する」とあるが、右の部内とは具体的にどこの部署を指すのか明らかにされたい。
五 三の答弁には「部内に周知するなどして今後の捜査・公判にいかしていくものと承知している。」とあるが、三の教訓が実際に活かされ、マイナリ氏はじめ過去に既に明らかになっている誤認逮捕、長期間拘束という人権侵害の防止に資するものとなっているかどうか、検察庁としてどのように検証していく考えでいるのか説明されたい。
六 当時マイナリ氏を逮捕し、取調べをした警察官、起訴した検察官並びに検事総長、東京高検検事長、更にはマイナリ氏に無期懲役の判決を下した裁判官の氏名について、「前回答弁書」では当時の土肥孝治検事総長、濱邦久東京高検検事長の二名のみが明らかにされている。右二名は、今回の事態が生じたことにつき、どのような責任を負い、どのような償いをなすべきであるか。滝実法務大臣の見解を示されたい。

 右質問する。



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