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平成二十五年一月三十日提出
質問第六号

いわゆる「屋良覚書」に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




いわゆる「屋良覚書」に関する質問主意書


 安倍総理は、去る一月二十八日、第百八十三回国会における総理大臣所信表明演説で「我が国を取り巻く情勢は、厳しさを増しています。国境離島の適切な振興・管理、警戒警備の強化に万全を尽くし、この内閣の下では、国民の生命・財産と領土・領海・領空は、断固として守り抜いていくことを宣言します」と述べた。
 一方、本年一月十五日付・沖縄タイムスは、「中国の航空機による尖閣諸島周辺への領空侵犯に対処するため、防衛省が(沖縄県)宮古島市の下地島空港にF15戦闘機を常駐させる案を検討している」と報じている。
 係る沖縄タイムス報道を受けて以来、沖縄では、下地島空港を自衛隊や米軍等が軍事目的では使用しない旨、一九七一年八月に当時の琉球政府と日本政府との間で確認した公文書、いわゆる「屋良覚書」、あるいは一九七九年六月に沖縄県と政府の間で交わされた「西銘確認書」をめぐって様々に議論が交わされている。
 以下、質問する。

一 いわゆる「屋良覚書」とは、下地島訓練飛行場(現・下地島空港)について、一九七一年八月十三日付通海七〇二号により、当時の琉球政府から照会があり、政府が昭和四十六年八月十七日付沖・北対第二九五六号・空総第三九〇号により回答した文書のことである。
 政府は係る文書、いわゆる「屋良覚書」が現在でも効力を有し、安倍内閣においても尊重し、遵守するとの立場か、見解を示されたい。
二 政府は、私が二〇〇四年十一月四日付で提出した「下地島空港に関する質問主意書」に対し、同年十一月十二日付の答弁書において「当時の下地島訓練飛行場は、現在、第三種空港である下地島空港となっているが、その利用についての調整の権限は、引き続き、管理者である沖縄県が有していると考えている。ただし、下地島空港は、公共の用に供する飛行場として適切に使用する必要があり、お尋ねのようにパイロット訓練及び民間航空以外の利用が当然に許されないということではないと考える」と回答している。
 そのうえで、政府は、私が二〇〇四年十一月二十二日付で提出した「下地島空港の軍事利用に関する質問主意書」に対し、同年十一月三十日付の答弁書において「『パイロット訓練及び民間航空以外の利用が当然に許されないということではないと考える。』との見解は、下地島空港が公共の用に供する飛行場であることを踏まえ、その使用方法に関する一般的な考え方として述べたものであり、同空港の利用についての調整の権限は管理者である沖縄県が有しているとの政府の見解を変更したものではない」と答えている。
 これらの答弁書を総合的に勘案するに、下地島空港については、管理者である沖縄県が同空港の利用についての調整の権限を有しており、政府は当該権限を超えて、パイロット訓練及び民間航空以外の目的に使用させることを沖縄県に命令・指示する法令上の根拠を有しない、と解するが、見解を示されたい。なお、法令上の根拠を有するとの見解であれば、その条文を明らかにされたい。
三 前記答弁書で示された下地島空港の管理者である沖縄県が有している同空港の「利用についての調整の権限」及び「使用方法に関する一般的な考え方」とはいかなるものか、具体的に示されたい。
 また、係る「利用についての調整の権限」は、いわゆる「地方管理空港」の管理者たる沖縄県知事の専権として属するものか、あるいは沖縄県議会の議決を経て行使できるものか、法的根拠を示したうえで明らかにされたい。
四 空港法第五条に基づき、政令でいわゆる「地方管理空港」として定められる下地島空港にあっては、同条第三項の規定に従って沖縄県議会の議決を経ない限り、具体的には「沖縄県空港の設置及び管理に関する条例」及び同条例「施行規則」を改正しない限り、同空港の運用時間や使用形態を変更できない、と解するが、政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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