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平成二十五年十月二十四日提出
質問第三〇号

国民全体に重大な影響を及ぼす厚生労働分野における国家戦略特区に関する質問主意書

提出者  山井和則




国民全体に重大な影響を及ぼす厚生労働分野における国家戦略特区に関する質問主意書


 日本経済再生本部は、十月十八日に「国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針」を決定した。この中では、医療や雇用という厚生労働分野においても特例措置を検討、具体化することとされ、国家戦略特区関連法案を臨時国会に提出するなど、所要の措置を講ずるとされている。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 特区において病床の新設・増床が容認された場合に、特区外のとりわけ地方から、医師や看護師などの人材が特区に吸い上げられ、地方における医師や看護師などの不足が生じませんか。また、そのような事態を回避するためにどのような施策を想定していますか。
二 雇用ガイドラインは、特区のみで活用されるのですか、それとも全国で活用されるのですか。
三 もし雇用ガイドラインが全国で活用されるのであれば、国家戦略特区法案の中で規定することは問題ではないですか。
四 解雇に関して、従来の判例では、十分に明確になっていない領域を雇用ガイドラインで明確にすることはあり得ますか。
五 四について、「ガイドラインで明確にすること」は、裁判例の分析・類型化とは異なりますか。
六 雇用ガイドラインで規定されることは、今までの判例の範囲内ですか、それとも範囲外に及びますか。
七 判例の範囲外に及ぶなら、「裁判例の分析・類型化による雇用ガイドライン」を逸脱しませんか。
八 裁判例の積み重ねと異なる新しいルールを雇用ガイドラインで作るのですか。労働契約法十六条を改正せずに、雇用ガイドラインにより、裁判例の積み重ねと異なる新しいルールを作ることは、法的に許されますか。
九 雇用ガイドラインは、裁判に影響を与えるのですか。影響を与えるのであれば、「裁判例の分析・類型化」を超えて、雇用ガイドラインが裁判所の判断を左右することになりますか。
十 雇用ガイドラインは、いつ、どのようなメンバーで策定するのですか。厚生労働省を中心に策定するのですか。そのメンバーに労働側の代表は入りますか。
十一 雇用ガイドラインの作成者は誰が決めますか。特区諮問会議が決めるのであれば、そこに労働法制を所管する厚生労働大臣が入らずに、特区諮問会議が雇用ガイドラインを策定することは問題ではないですか。
十二 雇用ガイドラインは労働政策審議会を通さないのですか。通さないとすれば問題ではないですか。
十三 国家戦略特区法案の審議の際に、ガイドラインの素案は提示されますか。
十四 もし、雇用ガイドラインで解雇ルールが明確化されるのであれば、そのガイドラインが国会審議の際に示されなければ、その審議ができないのではないですか。
十五 雇用労働相談センター(仮称)は、具体的にはどのような機能を持つことを想定していますか。当該機能は、労働基準監督署などの既存の機関では担えないものですか。また、準司法的機能あるいは裁判外紛争解決機能を持つ可能性はありませんか。
十六 雇用労働相談センター(仮称)は、想定される人員およびその属性、事業費、設置に必要な初期費用の規模はどれくらいですか。
十七 有期雇用については、平成二十四年八月に成立した労働契約法の一部を改正する法律の中で、有期労働契約が通算で五年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換することが規定され、本年四月一日をもって施行されたところです。この点について、未だ施行から半年余りしか経過していない中で、「全国規模の規制改革として労働政策審議会において早急の検討」を行うとした背景には、改正法の成立や施行以降、どのような状況の変化や問題が生じたのですか。
十八 有期雇用については、全国規模の規制改革として検討を行う事項とされていますが、一定の地域に限定して規制改革等を適用するための特区関連法案の中に、全国規模の改革を盛り込むことは不適切ではないですか。
十九 特区外の地域の医師・看護師などの不足、憲法で国民に保障されている法の下の平等や労働に関する基本的な権利など、厚生労働分野の基本的な政策に重大な影響がある国家戦略特区の制度設計について、厚生労働大臣が構成員とならない特区諮問会議で決定されることは、不適切ではないですか。

 右質問する。



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