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平成二十六年二月十四日提出質問第三六号
精神科・心療内科・メンタルクリニックの質の維持と多剤処方についての診療報酬改定に関する質問主意書
提出者 小池政就
精神科・心療内科・メンタルクリニックの質の維持と多剤処方についての診療報酬改定に関する質問主意書
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)による発表(平成二十五年十月四日)によると、統合失調症患者に対する抗精神病薬の処方については、三剤以上併用の効果に関するエビデンスがないという状況にもかかわらず、入院患者では三剤以上を併用するケースが42.1%あり、四剤以上についても20%見られる等の実情が明らかとなった。
また、年代別にみると、二十代から五十代までの患者の半数以上について、抗精神病薬につき三剤以上の処方がなされている。
さらに、今月、抗不安薬や睡眠薬などが過剰に投与され、患者が命を落としたり、重症に陥ったりしていることを指摘し、安易に薬を処方する精神科医療の在り方を問う報道がなされている(平成二十六年二月十一日読売新聞東京朝刊三面)。
その他、不適切な投薬が引き起こす深刻な問題を取り上げた報道(朝日新聞平成二十五年八月二十日「統合失調症 薬出しすぎ」、読売新聞平成二十五年八月二十三日「過剰服用 死亡の患者も」)がなされている。
これらの事情を踏まえて、以下の点について、明確に回答いただきたい。
政府として、精神科・心療内科・メンタルクリニックは、現状において、ストレスチェックの結果が思わしくなかった者らにとっての「受け皿」として、十分信頼に足りる環境を整えているものと考えるか。(なお、平成二十五年六月十二日に開かれた厚生労働委員会においても、メンタルクリニックの質の問題が議論となっているが、答弁者は明確な回答を避けている。)
二 政府として、ストレスチェック義務化の導入前又は導入後に、精神科・心療内科・メンタルクリニックの質の維持のために、何らかの対策を講じる予定はあるのか。
三 平成二十六年二月十二日、中央社会保険医療協議会は、平成二十六年度の診療報酬改定案をまとめ、田村憲久厚労相に答申した。
「抗不安薬・睡眠薬、抗うつ薬、抗精神病薬の適切な投薬を推進する観点から、精神科継続外来支援・指導料、処方料、処方せん料及び薬剤料について、多剤処方した場合の減算規定を新設する。」とし、「一回の処方において、三種類以上の抗不安薬、三種類以上の睡眠薬、四種類以上の抗うつ薬又は四種類以上の抗精神病薬を投与した場合」指導料や処方料の減算措置が取られることになった。
先述の通り、三種類以上の投薬についてはエビデンスがないとされているにもかかわらず、今回は抗うつ薬と抗精神病薬については、「四種類以上」の場合に指導料や処方料の減算措置が取られることになっている。
なぜ、「三種類以上」と定めなかったのか、その理由を伺いたい。
右質問する。