質問本文情報
平成二十六年六月十七日提出質問第二三二号
いわゆる「吉田調書」への政府の取扱い等に関する第三回質問主意書
提出者 鈴木貴子
いわゆる「吉田調書」への政府の取扱い等に関する第三回質問主意書
二〇一一年三月十一日に発生した東日本大震災並びに東京電力福島第一原発事故で現場対応を担った吉田昌郎氏が、政府の事故調査・検証委員会に事故当時の様子等を答えた「聴取結果書」(以下、「吉田調書」とする。)に関し、本年五月二十日付朝日新聞はじめ、種々報道がなされている。右と「前々回答弁書」(内閣衆質一八六第一七七号)並びに「前回答弁書」(内閣衆質一八六第一九七号)を踏まえ、再度質問する。
二 政府が「吉田調書」を公開しないとする一方で、その内容が朝日新聞に漏れてしまった理由は何かと前回質問主意書で問うたところ、「前回答弁書」では「平成二十六年五月二十日付の朝日新聞社の報道において同社が入手したとされている『聴取結果書』が、政府事故調査委員会による吉田昌郎氏からのヒアリング結果と同一のものであるか否かについて承知していないことから、お答えすることは困難である。」との答弁がなされている。右答弁を作成した者の官職氏名を問うたところ、「前回答弁書」では「内閣官房」という部署名が明らかにされているだけである。作成した者の官職氏名を、再度問う。明らかにしないのなら、情報公開法に基づき、手続きすることも考えたい。
三 政府として、本年五月二十日付朝日新聞記事における「聴取結果書」が「吉田調書」と同一のものであるか否か、確認をしているか、していないのなら、それはなぜか、政府として、朝日新聞記事中にある「聴取結果書」が「吉田調書」と同一のものであるか否かを速やかに確認し、その上でそれが報道機関に漏れてしまった経緯について調査をすべきではないのかとの質問に対し、「前回答弁書」では「平成二十六年五月二十日付の朝日新聞社の報道において同社が入手したとされている『聴取結果書』を保有しておらず、政府事故調査委員会による吉田昌郎氏からのヒアリング結果と同一のものであるか否かについて承知していないことから、お答えすることは困難である。」との答弁がなされている。では政府として、朝日新聞社に対し、報道のもととなった「聴取結果書」が「吉田調書」と同一のものであるのか否か、同一のものであるのならなぜ同社がそれを入手できたのか、問い合わせをしているか。
四 三で、していないのならそれはなぜか説明されたい。
五 「吉田調書」には、福島第一原発事故発生後、同所員の九割に当たる職員約六百五十名が、吉田氏の待機命令に反して十q南の福島第二原発に撤退していたことが明らかにされているとのことである。右の記述が事実だとすれば、東京電力として過酷事故に対する対応が全くできていなかったことになる。政府として新しいエネルギー計画を閣議決定し、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ原発を再稼働し、今後も原発を活用していく考えを有しているのなら、いかに吉田氏本人が公表を望まないとしていたとしても、その内容を広く国民に公開し、当時の事故の様子を国民と共有することが必要なのではないのか。右に対し、「前回答弁書」では「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会が平成二十三年十二月二十六日に取りまとめた中間報告書及び平成二十四年七月二十三日に取りまとめた最終報告書並びに東京電力福島原子力発電所事故調査委員会が同月五日に国会に提出した報告書は、御指摘の『吉田調書』を含め、関係者からのヒアリング結果とその他の資料とその突合せや調査・検証による様々な事実確認を経て取りまとめられ、公表されたものと認識している。」との答弁がなされている。では右答弁にある種々報告書において、「吉田調書」に書かれてあるとされている職員の撤退等の対応のまずさが、明確に記されているか。
六 五の答弁にある種々報告書は報告書として、事故発生当時最前線で対応にあたった吉田氏の供述が鮮明に書かれている「吉田調書」の内容を明らかにし、事故の様子を国民と共有することが必要ではないのか。政府の見解を再度問う。
右質問する。