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平成二十六年六月十八日提出質問第二六四号
集団的自衛権の行使を可能とする政府解釈の変更に係る閣議決定原案を内閣法制局が了承していた件に関する質問主意書
提出者 鈴木貴子
集団的自衛権の行使を可能とする政府解釈の変更に係る閣議決定原案を内閣法制局が了承していた件に関する質問主意書
一九七二年、当時の政府は、いわゆる集団的自衛権を我が国が行使できるか否かに関し、「自国の存立を全うするために必要な自衛の措置を禁じているとは到底解せない」とし、日本国憲法九条は自衛権まで否定しているものではないとし、自衛の範囲について「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される急迫、不正の事態」という必要最小限度のものと定義付け、更に「わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、集団的自衛権は憲法上許されない」と結論付ける見解(以下、「一九七二年見解」とする。)を出している。その一方で、本年六月十日付北海道新聞の記事によると、安倍晋三内閣として、現在いわゆる集団的自衛権を我が国が行使できるよう、従来「有してはいるが日本国憲法により行使することは許されない」としてきた政府解釈の変更を実現すべく、閣議決定を目指していることに関連し、その原案(以下、「原案」とする。)を内閣法制局が事前に了承していたとのことである。右を踏まえ、質問する。
二 「原案」はいつつくられたものであるのか説明されたい。
三 「原案」を内閣法制局が了承しているというのは事実か。
四 三で、事実ならば、内閣法制局として長年に渡り「有してはいるが日本国憲法により行使することは許されない」としてきた解釈を変更することを容認するに至った理由は何か説明されたい。
五 現在安倍内閣として、集団的自衛権に関し、「有してはいるが日本国憲法により行使することは許されない」としてきた政府解釈を変更することを目指していると承知する。その論拠に、「一九七二年見解」を挙げているが、そもそも同見解は集団的自衛権を行使することは憲法上許されないと明言している。右の矛盾につき、安倍内閣としてどう考えるか説明されたい。
六 安倍内閣として、集団的自衛権の行使を可能としたいのなら、日本国憲法を改正するしか方法がないと考える。それをせずに、「一九七二年見解」の一部を引用し、政府解釈の変更によって行使を可能とするのは、日本国憲法を無視することになり、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と規定している憲法第九十九条に違反することになるのではないか。明確に答えられたい。
右質問する。