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平成二十七年二月五日提出
質問第三七号

沖縄県の民意に対する政府の対応に関する質問主意書

提出者  井坂信彦




沖縄県の民意に対する政府の対応に関する質問主意書


 昨年、沖縄県では名護市長選、沖縄県知事選、衆議院議員選挙と政府与党が支援した候補者が落選し、政府与党の政策と一致しない首長が誕生した。特に沖縄県知事選挙では、政府が進める米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対する翁長雄志氏が知事となり、沖縄県の民意が政府の政策とは必ずしも一致しないことが結果として出た。
 一方で、政府は翁長知事と面会せず、沖縄振興予算を減額し、沖縄県が県民の念願として実現を求めている新たな鉄軌道導入にも厳しい目を向けていると報道された。沖縄県内の主要紙である琉球新報や沖縄タイムスでは、連日のように翁長知事を冷遇する記事を掲載してきた。
 民主主義の原則として、地方自治の本旨も鑑みて、主義主張の異なる県知事を冷遇することはあってはならないことである。沖縄県知事への冷遇はそのまま沖縄県民に対する冷遇と同様のことと考えられる。したがって、政府の沖縄県知事に対する対応に関し、次の事項について質問する。

一 最近では、二〇一四年七月に滋賀県知事選挙、二〇一五年一月に佐賀県知事選挙が行われ、政府与党が推薦した候補者が敗れている。各県知事選挙の後、新しい県知事が首相や官房長官と面会したか。また滋賀県知事、佐賀県知事が選挙後に面会した日にちはそれぞれいつか。
二 沖縄県の翁長雄志知事は昨年十二月二十四日から二十六日に上京したものの、安倍晋三首相や菅義偉官房長官と面会できなかった。
 @ 菅官房長官は、十二月二十六日の記者会見で記者団の質問に「年内にお会いするつもりはありません」と発言していたが、なぜ年内に会うつもりはなかったのか。時期的に慌ただしい時期であったことは理解できるが、なぜ「年内に会えない」ではなく、「年内に会うつもりはない」という発言になったのか。
 A 菅官房長官は、翁長沖縄県知事に対して、仲井眞前知事と比較して扱いに差を設けているのか。
三 一月八日付琉球新報によると、同様に本年一月七日、上京した翁長知事が西川公也農水大臣との会談を求めていたのに対し、農水省は「日程調整が難しい」として断ったという。一方で西川農水大臣はJA沖縄中央会長や沖縄県出身の自民党衆院議員とは面談しており、翁長知事との対応の違いが際立った。
 @ 同記事によると、「首相官邸筋は『沖縄マターについては、全て官房長官を通さないといけないことになっている』と指摘し、翁長知事との対話拒否は、官邸の主導であることを示唆した」と報道されているが、沖縄マターについては、全て菅官房長官を通さないといけないことになっているというのは事実か。
 A 「沖縄マター」というのはJAや沖縄の自民党議員と面談することは含まれず、翁長知事との面会は「沖縄マター」に含まれるのか。
 B 同記事によると、沖縄県出身の西銘恒三郎衆議院議員は、自民党の「県連幹事長に連絡を取ることだ。県連を窓口にすべきだ」と述べている。沖縄県知事が政府首脳と面会を求めるために、自民党の県連幹事長を窓口にしないといけないのか。
四 昨年、十二月二十七日付沖縄タイムスによると、「県内に鉄軌道を導入する計画について、政府が白紙に戻す方向で検討を始めたことが二十六日分かった」、「二〇一五年度の調査費は計上するが、採算性の厳しさなどで導入を見送るシナリオを描いている」、「財務省内では以前から莫大な予算に難色を示し、導入に消極的な意見が多かったというが、『仲井真氏が敗れたことで重い予算を担ぐ必要はなくなった』(財務官僚)との声が出ている」などと報道された。この記事に関する事実確認をしたい。
 @ 沖縄県の鉄軌道を導入する計画について、政府が白紙に戻す方向で検討を始めたのか。
 A 二〇一五年度の調査費は計上されるが、採算性の厳しさなどで導入を見送るシナリオを描いているのか。
 B 財務官僚の発言のような声が財務省内で出ていることは事実か。

 右質問する。



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