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平成二十七年三月二十六日提出質問第一六九号
沖縄防衛局長が沖縄県知事の停止指示を不服として農林水産大臣に提出した執行停止申立書と審査請求書に関する質問主意書
提出者 仲里利信
沖縄防衛局長が沖縄県知事の停止指示を不服として農林水産大臣に提出した執行停止申立書と審査請求書に関する質問主意書
去る三月二十四日、沖縄防衛局長は、沖縄県知事が同局長に対し行った名護市辺野古沖での作業停止指示を不服として、農林水産大臣に対し、行政不服審査法に基づく執行停止並びに地方自治法に基づく審査請求という、まさに前代未聞の申し立て等を行った。本件については、政府が県を訴える当事者になり得るのかという適格性の問題と、同一政権内で審判が下されることになり、公平・公正・中立性が保てるのかという問題がある。県民は、本件に対し、素朴な疑問を抱くとともに、昨年の知事選挙や衆議院議員選挙で明確に示された「辺野古新基地建設ノー」との民意を踏みにじる行為が依然として続いているものとして捉え、憤りを感じている。
そこでお尋ねする。
二 今回の沖縄防衛局の執行停止申し立てと審査請求は、農林水産省が審理し、農林水産大臣が裁決することになる。そもそも省庁は違っても同じ安倍政権下で行う審理であれば、公平・公正・中立性は到底期待できないことは明らかである。同法の公平・公正・中立性についてはかねてより問題が多いとされており、昨年の六月に全面改正されて、ようやく第三者機関たる行政不服審査会等への諮問制度が導入され、審理の監視制度が整った。したがって、改正法の施行にはまだ至ってはいないものの、改正の経緯と趣旨に鑑み、今回、農林水産省の審理と農林水産大臣による裁決は見送り、同局からの申し立てを直ちに却下すべきではないか。
三 政府は、辺野古新基地建設問題に対し、沖縄県民が名護市長選挙や沖縄県知事選挙、衆議院議員選挙で明確に「ノー」と意思表示し突きつけたのにも関わらず、相変わらずごり押しを続けようとしている。その端的な例が海上保安庁や警察による市民抗議デモへの暴力的な弾圧であり、今回の一方的な執行停止申し立てと審査請求である。政府は一体いつまで沖縄県に基地を押し付けていくつもりなのか。県民をあめと鞭で分断し、気に食わない市民運動は強権で押さえつけようとする行為は植民地政策としか思われない。沖縄県民の民意を尊重し、直ちに今回の執行停止申立書と審査請求書を取り下げるとともに、辺野古新基地建設を取りやめるべきではないか。
右質問する。