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平成二十七年六月二日提出
質問第二五二号

塩崎厚生労働大臣の「病院前の景色を変える」発言に関する質問主意書

提出者  柚木道義




塩崎厚生労働大臣の「病院前の景色を変える」発言に関する質問主意書


 昨今、政府内で議論される「薬局構造改革」や「医薬分業改革」を拝聴するに、政府においては、あたかも「門前薬局」のみが「かかりつけ薬局」機能を果たさず、もっぱら薬剤給付のみに従事し、薬剤給付に際し、国民の健康増進に利する十分な医療情報の収集並びに提供を怠っているかのような指摘がなされている。具体的には、国民が薬局にて医薬品給付を受けるメリットを感じることができないという指摘であり、調剤報酬上評価されている技術料が国民の期待に応えていないということになる。そして、政府内で取りざたされる「門前薬局」への厳しい批判は、このような厳しい指摘が、ただ門前薬局にのみあるかのような責任論に帰結するかのような責任転嫁とみゆる。薬剤給付における薬局並びに薬剤師への評価については、単に「門前薬局」の問題ではなく、広く一般に、薬局において実践される調剤行為そのものについての国民からの評価であり、これについてメリットを十分に感じられないという国民の声であると理解するのが妥当と考える。政府もこうした国民からの声に耳を傾け、平成二十七年度予算にも計上しているように、地域で健康情報を発信していく拠点として薬局を積極的に活用しようとの目論見で「健康情報拠点薬局事業」などを推進していると理解するところである。
 しかしながら、今般の政府内における「門前薬局」たたきのような議論は、政府によるたくみな議論の「すり替え」に過ぎない。国民から提起される「薬局で調剤を受けるメリット」に真摯に耳を傾け、薬局が薬局然として業務することで国民が健康な生活を営めるような環境整備に努めるべきである。
 昨今の医療機関の周辺事情を鑑みるに、我が国の薬局の大半は医療機関の門前あるいは近隣に立地しているものとみゆる。医薬分業を政策的に推進してから四十年以上の月日が経過し、この間、門前薬局を規制することなく放置してきたのも事実であり、国民もまたこのような「門前」という医薬分業の形式を受容させられてきた。現に広く一般に受容されるものを批判し、その形式を破壊してなくすような愚策を選択するよりも、その機能を開花させ、より充実した施設へと昇華させるように政策誘導することのほうがより生産的な選択である。門前薬局について考えるのであれば、医療機関に隣接する「門前薬局」に「かかりつけ薬局」機能を付加できるような施策を検討するべきと考え、以下に政府の見解を問う。

一 政府の考える「門前薬局」の定義についてお示し願いたい。また、我が国において、「門前薬局」という形態をとらず経営されている薬局数について政府の掌握している数値をお示し願いたい。
二 報道によれば、塩崎厚生労働大臣は、「病院前の景色を変える」と発言されたとのことである。そもそもこれまで四十年以上にわたって「門前薬局」という形式を放置してきたのは政府であるにもかかわらず、この機に至って病院前に立地する薬局をして悪者扱いするかのような発言をした塩崎厚生労働大臣の真意を明らかにされたい。
三 先の塩崎厚生労働大臣の発言にある「病院」というのは、「医療機関」全般を指すのか、あるいは病院一般を指しているのかを明らかにされたい。
四 我が国の状況を鑑みるに、「門前薬局」という形式をもって規制するという方策をとるよりも、EHRなどのような情報技術を医療分野で活用できるインフラ整備を積極的に進め、「門前」であるかどうかなどのような物理的立地に依拠することなく、どこであっても「かかりつけ薬局」機能を果たせるような整備事業と複数科受診などによって散逸してしまった情報を補いながら専門家として国民の健康増進に努力する「かかりつけ薬剤師」育成事業に力をいれるべきと考えるが政府の見解如何。

 右質問する。



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