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平成二十七年九月十八日提出
質問第四四七号

大間原子力発電所の運転開始の目標時期の先送りに関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




大間原子力発電所の運転開始の目標時期の先送りに関する質問主意書


 平成二十七年九月三日に行われた衆議院原子力問題調査特別委員会において、大間原子力発電所の運転開始の目標時期の先送りに関する報道に関して、政府との質疑応答の機会を得たが、十分な答弁を得たとは言い難く、未だ明らかにされない問題も残された。
 このような視点から、以下質問する。

一 平成二十七年九月二日、「大間原子力発電所がこれまで二〇二一年頃としていた運転開始の目標時期が一年程度先送りされる」という報道がなされたが、現時点でどのような事実関係になっているのか。政府の把握状況を具体的に示されたい。
二 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の第四十三条の三の六の第一項第二号では、設置許可の基準として、発電用原子炉を設置しようとする者には、「発電用原子炉を設置するために必要な技術的能力及び経理的基礎があること」と規定されている。大間原子力発電所の運転開始が先送りされることで、資金調達計画の策定時に想定していた運転計画に変化が生じる。この場合、運転開始の先送りによって建設期間がさらに長期化することで、経営計画が悪化していけば、当初の「経理的基礎」が損なわれるのではないか。政府の見解を示されたい。
三 平成二十五年六月二十日の参議院経済産業委員会において、電気事業連合会の八木誠参考人は、原子力発電所の資金調達環境の実態について、「電力各社のいわゆる経営環境というのは大変厳しい状況になっている」「原子力政策の不透明さゆえに長期的な、やはり原子力というのは長期的な投資も要りますので、そうした回収見通しに大きな懸念がある」「不透明感から金融市場の不安心理を誘発して今後の資金調達に更に悪影響を及ぼす」ことを指摘している。今次の大間原子力発電所の運転開始の先送りは、かかる事案の一つであり、電源開発株式会社の企業経営に深刻な悪影響を与え、事業者としての電源開発株式会社が大間原子力発電所の維持ができなくなるおそれはないのか。また、そのような場合、国による何らかの財政支援が必要になり、電源開発株式会社の経営の自律性を損ないかねないのではないか。政府の見解を示されたい。
四 平成二十六年六月五日の参議院経済産業委員会においても、電気事業連合会の八木誠参考人は、「現在、新たなエネルギー基本計画において原子力依存度を可能な限り低減するという方向性が示されたことで、長期的な見通しが不透明となって」おり、「長期における事業継続に関する予見性が従来よりも低下する」。このため「原子力発電の維持、運営に必要な資金の調達にも影響を及ぼしかねない」と指摘している。大間原子力発電所の運転開始の目標時期の先送りはまさにかかる事例の一つであり、かかる不透明な見通しの中、運転開始時期すら先送りされ不透明な大間原子力発電所を設置する必要性はそもそも見出しがたいし、事業として採算を得る可能性は乏しいように思われる。これは事業者たる電源開発株式会社の経営上の問題のみならず、政府が、「大間原子力発電所計画は、平成七年八月の原子力委員会決定によって、国及び電気事業者の支援の下」「軽水炉でのMOX燃料利用計画の柔軟性を拡げるという政策的な位置付けを持つもの」(電源開発株式会社「有価証券報告書」(平成二十六年四月一日〜平成二十七年三月三十一日))としていることの妥当性を揺るがしかねないものである。国のエネルギー計画上、政府は大間原子力発電所の運転が本当に必要であると考えるのか、見解を示されたい。

 右質問する。



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