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平成二十八年二月二日提出
質問第一〇六号

子宮頸がん予防ワクチンの副反応被害と被害者の救済に関する質問主意書

提出者  仲里利信




子宮頸がん予防ワクチンの副反応被害と被害者の救済に関する質問主意書


 厚生労働省は、二〇一〇年から子宮頸がんワクチン接種緊急促進事業として、公費負担により子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の予防接種を促進してきた。
 初年度の二〇一〇年は任意であるが接種を推奨し、二〇一三年三月の予防接種法の改正に伴い四月から定期接種にして積極的な接種に切り替えた。
 しかし、全国で接種後の健康被害が報告されたことから、同年六月に「積極的に勧奨しない」方針に変更するなど、対応が二転三転し、しかも対策も十分ではなく、また副反応を訴える被害者への救済も後手に回っているという批判が相次いでいる。
 そこでお尋ねする。

一 子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の予防接種が任意の接種勧奨から定期接種へ、そして積極的に勧奨しないよう留意するという具合に、政府の取り組みが二転三転した理由は何か。
二 世界保健機関(WHO)が予防接種プログラムに組み込むよう各国に勧めているといえども、我が国で勧奨ないし定期に接種することとする場合、当然、副作用や効果等について一定の臨床実験や検査等所定の手続きを経た上で、実用化に及ぶものと思われる。今回の子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の場合はどのような手続きや実験、検査、確認を経て接種という実用化に及んだのか。
三 子宮頸がんワクチンの成分が未公表と聞くが、実際はどうか。未公表ならばなぜ公表できないのか。子宮頸がんワクチンの成分を公表するよう製薬会社に求めるべきではないか。未公表の成分のワクチンを使用することは予防接種法上可能なのか。
四 厚生労働省は、専門家による研究班を組織し、子宮頸がんワクチン成分と接種後の副反応被害との因果関係を徹底的に調査するとしている。なぜ未だに因果関係の解明や有効な治療方法の確立ができないのか。
五 子宮頸がんワクチンを接種した人が増加するにつれて、複合性局所疼痛症候群(CRPS)が特異的に見られるようになったとのことである。接種後の被害の実態調査を実施しているか。実施しているのであれば、これまでの接種者数、CRPSを訴える被害者数を接種時期別、地域別、年齢別、症状別に公表せよ。実施していないのであれば、その理由と今後の展望と対策を明らかにせよ。
六 政府は、今回の勧告で「子宮頸がんワクチンの接種を中止したわけではなく、定期接種の対象から外したわけでもない。定期接種希望者への周知を呼びかけるとともに、接種機会の確保を求める」とのことである。子宮頸がんワクチン成分と接種後の副反応被害との因果関係が解明されていない中で、このような勧告や取り組みは、子宮頸がんの発生率の高い若い女性に対する説明や対策としては極めて不十分であり、かつ、無責任なものであると思われる。政府の考えはどうか。がん予防の観点から政府はもっと積極的に若い女性に説明や対策を講じるべきではないか。
七 因果関係が明らかでないとして救済の手立てが講じられていない子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の接種後の副反応被害者を国の支援の下、早急に救済すべきではないか。
八 接種者は若年者が主体であると聞く。副反応が生じたならば、将来にわたる健康不安の問題が存在することになり、長期間の診察・検査を余儀なくされるため被害者とその家族に経済的・精神的負担が過大となることが考えられる。政府は今後どのような救済策や対策を講じる考えか。

 右質問する。



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