衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十八年二月八日提出
質問第一一八号

ハローワークの求人票の労働条件が実際と違うことにより離職の増大に繋がることに関する質問主意書

提出者  仲里利信




ハローワークの求人票の労働条件が実際と違うことにより離職の増大に繋がることに関する質問主意書


 厚生労働省の集計によれば、ハローワークの求人票の労働条件が実際と違うという相談が全国の労働局に相次ぎ、平成二十四年度で七千七百八十三件、平成二十五年度で九千三百八十件、平成二十六年度で一万二千二百五十二件に上り、そのうち平成二十六年度の三十六%の求人で食い違いが確認されたとのことである。実際の労働条件と異なる、いわゆる「うその求人で好条件」に騙されて就職したケースは、単なる「食い違い」で済まされるべきものでは決してない。なぜならば、そのようなケースでは、過酷な仕事を押し付けられて体調を崩し、一方的に退職に追い込まれたり、託児所の費用等で法外な経費を請求されたりすることに繋がっているからである。
 また、新規学卒者の場合には、初めての仕事への夢や希望を打ち砕かれ、その後の社会生活や人生に大きな影響を及ぼしており、ミスマッチというべきものでは決してあり得ないからである。
 企業が「うその求人」を行う根本的な原因として考えられることは、力の強い雇用者が弱い立場の労働者を使い捨ての労働力としてしか見なしていないことや、最初から搾取しようと目論んでいること、我が国の雇用関係が一方的な関係で成り立っていることなどである。
 また、職業安定法では、求人時の労働条件の明示を義務付けてはいるものの、「うその求人」を出した企業を直接処罰する規定がないため、このような「求人詐欺」の横行を許していることも原因の一つであると思われる。
 そこでお尋ねする。

一 政府は、ハローワークへの求人票の労働条件が実際の企業の現場でどのようになっているか等の調査をなぜ行ってこなかったのか。
二 実態調査は、労働基準監督署による企業への立ち入り調査等現行の制度・法律等で十分対応可能ではないか。それとも対応可能であるが、組織体制の手薄さ等でできなかったのか。
三 ハローワークの求人票が実際の労働条件と異なる、いわゆる「うその求人で好条件」を出した企業に求職者を紹介することは、国がブラック企業に労働者を送り込むことに加担することになりかねない。政府の認識はどうか。
四 政府は、このような深刻な事態を把握しておきながら、未だに有効な対策を講じていない。このことは、政府が放置しているとの誹りを免れないものである。今後、どのような抜本的かつ有効な対策を講じる考えか。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.