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平成二十八年四月四日提出質問第二三五号
名護市辺野古岬沖において市民が不当に拘束された事案に関する質問主意書
提出者 仲里利信
名護市辺野古岬沖において市民が不当に拘束された事案に関する質問主意書
去る四月一日午前九時半頃、名護市辺野古岬でカヌーに乗って海上での抗議活動を行っていた市民を米軍の警備員が一方的に拘束するという事案が発生した。
拘束後、米軍は、午後五時頃に海上保安庁の職員に市民を引き渡すまでの八時間近くに渡って、市民を米軍基地内に閉じ込め、しかも拳銃を持った米軍兵士に監視させるという異常な行為を取り続けたとのことである。
この間、市民は米軍の職員に対して、自己の氏名や電話番号を明らかにした上で、弁護士との接見や濡れた衣服の交換、保温等の要望を伝えたとのことである。これに対して米軍の職員は、拘束容疑を明らかにしないまま、市民からの要望に対しては名護署への引き渡し後にしか対応できないとの説明だけを行ったとのことである。
これらを踏まえて以下お尋ねする。
二 米軍の警備員が市民を拘束する際に、拘束の理由や容疑を市民に告げたのか、事実関係の確認を求める。もし、拘束の理由や容疑を告げないままに、米軍の警備員が一方的に我が国の市民を拘束したならば、その拘束を可能とする日本の法律的根拠は何か。
三 米軍の警備員及び兵士が市民の身柄を速やかに我が国の捜査機関に引き渡さないまま、八時間近くも米軍基地内で市民を一方的に拘束する法的根拠は何か。
四 拘束された市民は、あらかじめ米軍職員に氏名や電話番号を明らかにしており、しかも米軍基地内で監視状態にあったことからすれば逃亡の恐れや可能性は全くない。それにも関わらず、拳銃を持った米軍兵士が威嚇しながら拘束を続ける必要性があったのか。またその際の法的根拠は何か。
五 拘束された市民に対して、「刑事特別法違反」という容疑の告知は、何時、誰が、どこで、どのような法的根拠に基づいて行ったのか。
六 日米両政府が名護市辺野古岬沖に設定した「臨時制限区域」は、あくまでも新基地建設工事の「安全確保」を理由に拡大されたものである。辺野古代執行訴訟の和解で工事が現在中断している状況からすれば、今回市民が「臨時制限区域」に立ち入ったとしても、そのことにより行われていない工事に対する影響が生じることはあり得ないし、ましてや米軍の運用等への支障が生ずることもあり得ないことは自明の理である。一体どのような支障が生じたのか、緊急性があったのか、具体的に明らかにされたい。
七 政府は、米軍による市民の不当な拘束に対して、自国民の人権と安全を守る観点から、主権国家として断固抗議すべきではないか。
八 今回市民が米軍により一方的に拘束されたことにより、米軍に日本の法律が適用されないという法的矛盾が明らかとなった。やはり主権国家として日米地位協定は早急に改善しなければならないと思われるが、政府の認識はどうか。
右質問する。