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平成二十八年十二月一日提出
質問第一七八号

ヒラリー・クリントン候補重視の日本外交の問題意識に関する再質問主意書

提出者  逢坂誠二




ヒラリー・クリントン候補重視の日本外交の問題意識に関する再質問主意書


 先般提出した「ヒラリー・クリントン候補重視の日本外交の問題意識に関する質問主意書」(質問第一三五号)に対する答弁書(内閣衆質一九二第一三五号。以下「答弁書」という。)の内容を踏まえて、以下質問する。

一 安倍総理の十一月の訪米時のドナルド・トランプ氏との会談の以前の過去五年間に、各省庁の政務三役、あるいは駐米大使、外務省幹部などの日本の政府高官がドナルド・トランプ氏と面談した事実はあるのか。政府の見解を示されたい。
二 答弁書によれば、安倍総理は九月の訪米時にヒラリー・クリントン氏と面談しているが、十一月二十一日の産経新聞(「当該記事」という。)は、この訪米時に投資家のウィルバー・ロス氏とも面談したことを報じている。この安倍総理とウィルバー・ロス氏の面談は事実か。政府の見解を示されたい。
三 当該記事では、ロス氏は「安倍晋三首相とも会談し、トランプ氏からの伝言を伝えている」とのことであるが、この面談が事実とすれば、ロス氏の立場は日米交流団体ジャパン・ソサエティーの会長としてであるのか、それともドナルド・トランプ氏の側近としての立場であるのか。政府の見解を示されたい。
四 安倍総理とロス氏の会談で伝えられたという、「トランプ氏からの伝言」とはどのようなものか。政府の見解を示されたい。
五 安倍総理とロス氏の面談は、アメリカ大統領選挙の投票日の二か月近く前で、ヒラリー・クリントン候補が有力と目されていた時期であるため、むしろロス氏はジャパン・ソサエティー会長としての立場で面談していたが、答弁書との整合性を保つため、答弁書の閣議決定前日に記事にするように政府が働きかけたのではないのか。政府の見解を示されたい。
六 当該記事でいう、九月の安倍総理の訪米時のウィルバー・ロス氏との面談は、外務省ホームページ等では確認できない。他方、答弁書はこの記事の公開された次の日の十一月二十二日に閣議決定されている。当該記事はどのような経緯で書かれたものか。産経新聞のいわゆるデスクは、少なくとも政府の然るべき立場の方から情報が確認できない限り、当該記事を出稿するとは考えにくく、当該記事は政府筋から意図的に答弁書の閣議決定前日に情報がリークされ、トランプ陣営とも安倍総理は接触していたというアリバイ作りを目的とするものではないかと推定する。なぜ、本来、外務省のホームページ等で明らかにすべき安倍総理の外交成果が公表されず、答弁書の前日に記事になったか。このロス氏との会談の事実を政府関係者が産経新聞記者に明らかにした事実はあるのか。あるとすればそれは政府内の誰によるものであるのか。政府の見解を示されたい。
七 例えば、早稲田大学招聘研究員の渡瀬裕哉氏は、「米国に安倍首相と同時期に訪問したイスラエルのネタニヤフ首相はヒラリー・トランプ両氏に会っている」「ユダヤ人国家という特殊な条件はあるものと思いますが、大統領選挙期間中に候補者の両方に会うことが当然の対応である」と指摘している。安倍総理の訪米にあたり、政府は、各国政府がアメリカ大統領選の候補者へどのようなアプローチをしているのかを事前に調査、分析していたのか。政府の見解を示されたい。
八 アメリカ大統領選挙の結果が明らかになった直後、ヒラリー・クリントン氏の勝利を見込んでいた安倍総理は外務省担当者に、「話が違う」と苛立ちをぶつけたとの報道がある。また、安倍総理は、「話が違うじゃないか!」とも発言したとも伝えられるが、この報道は事実か。政府の見解を示されたい。
九 右の問に関して、安倍総理が「話が違うじゃないか!」と発言したことが事実であれば、答弁書でいう、「「ヒラリー・クリントン氏だけを重視」したとの事実及び「オバマ政権の次にヒラリー・クリントン政権が誕生すると推測」したとの事実はなく、「情報収集や分析能力には課題がある」及び「日本外交の基本姿勢には、基本的な問題意識の欠如がある」といった御指摘は当たらない」との見解は事実誤認に基づくものではないか。政府は答弁書を訂正すべきではないか。政府の見解を示されたい。
十 二国間の外交関係の構築は水面下でのやり取りを含めて様々な交渉が繰り返されるものであると承知している。またその事案が現在進行形である場合、外交交渉上、明らかにできないことは多い。他方、新しいアメリカの政権との関係構築のようなわが国の外交の基軸になるような問題は、国民生活に大きな影響を及ぼすため、その透明性、国民への説明が特に真摯に求められる。しかしながら、現時点で国民が目にすることのできる報道等に接する限り、政府の対応にはちぐはぐ感がぬぐいきれない。政府には国民が一連のアメリカ大統領選前後の安倍総理の訪米に対して不信感をいだいているという認識はあるのか。また要人との会談結果について、国民に対して十分な説明を行っているとの認識であるのか。政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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