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平成二十九年二月十日提出質問第六二号
安全保障理事会の対南スーダン武器禁輸決議案に関する質問主意書
提出者 階 猛
安全保障理事会の対南スーダン武器禁輸決議案に関する質問主意書
一 二〇一六年十二月十九日の国連安全保障理事会第七八四六回会合において、当時の潘基文国連事務総長は、キール大統領が近い将来に反政府勢力に対して新たな軍事攻撃を考えているとみられると報告している。また、反政府勢力の側も戦闘の大規模化を図っているとしている。これらの状況は、事務総長が安全保障理事会に武器禁輸措置を求める根拠の一つとなっている。政府として、南スーダン政府や反政府勢力にこのような動向があったという認識は共有していたか。
二 また同事務総長は、当時南スーダンは外部的脅威に晒されておらず、さらなる武器は南スーダンの国民に対するより大きな脅威になるだけだと指摘していた。武器禁輸措置が和平プロセスの妨げになるかは格別、少なくとも南スーダン政府がさらなる武器を獲得することは同国国民に対するさらなる脅威になるという認識は、日本政府も共有するものか。
三 国連事務局が南スーダン情勢は好転していないと認識している中で、日本政府は、制裁より和平に向けた政治プロセスを優先すべきだとして、武器禁輸に関する決議案の採択で棄権している。アメリカの国連大使等が、同決議案が否決されれば南スーダンをさらに不安定化させるとしているにも関わらず、和平に向けた政治プロセスが十分実効的であると日本政府が主張した根拠はどこにあるか。
四 安全保障理事会第七八五〇回会合において、日本政府は、武器禁輸措置に関する決議案に棄権した理由として、二〇一六年十一月に和平に向けた政治プロセスに進展の兆しがあったことを挙げている。現時点において、その政治プロセスには当該発言時に期待していたほどの進展があったと考えるか。
五 前項と同じ発言の中で、日本政府は、暫定政府が前向きな動きをしている時に追加制裁をすることは逆効果だとしている。現在の南スーダンの情勢及び南スーダン政府の動向を踏まえても、未だ武器禁輸措置を取るべきではないと認識しているか。また、今後前回と同様の決議案が安全保障理事会に提出された場合、日本政府はどのような投票行動を取るつもりか。
右質問する。