質問本文情報
平成二十九年二月二十七日提出質問第九二号
北方領土へのロシア軍の配備に関する質問主意書
提出者 逢坂誠二
北方領土へのロシア軍の配備に関する質問主意書
ロシアのショイグ国防相がロシア下院の演説で、北方領土と千島列島へ新設の一個師団を年内配備する方針を表明した。この問題に関し、菅義偉官房長官は「わが国の立場と相いれず遺憾だ」と述べ、外交ルートで抗議したとしている。また稲田防衛大臣が、三月二十日に東京で開かれる日ロの外務・防衛閣僚協議でショイグ国防相に詳細な説明を求める方針とも報道されている。
これらに関して疑義があるので、以下質問する。
二 一について、外交ルートでの抗議とは、具体的な手法として、外務省に駐日ロシア大使を呼び抗議をしたのか。それとも電話で駐日ロシア大使に抗議の意向を伝えたにとどまるのか。
三 日ロ間では、北方領土における共同経済活動の協議が三月から開始されると見込まれるが、その直前のこうしたロシアの国防相の言動は協議の前提を崩すものである。政府は、三月二十日の外務・防衛閣僚協議開始前に、ロシアの国防相の発言撤回と謝罪を要求すべきと思うが、見解を示されたい。
四 昨年十二月の日ロ首脳会談の成果として、安倍総理は、北方領土において、日ロ両国が共同経済活動を始めることを強調し、「対立の島」ではなく「共存の島」にできると説明した。しかしロシアは、昨年十一月にも北方領土にミサイルを配備し、今回、さらに軍拡を進めようとしている。こうしたロシアが軍拡を進める地域で、日本への主権侵害などの法的立場が損なわれずに、共同経済活動が可能だと政府は判断しているのか。見解を示されたい。
五 昨年十二月の日ロ首脳会談では成果があったと安倍総理は強弁するが、こうしたロシア側の北方領土における軍拡姿勢を見ると、何の成果もなかったに等しいのではないか。政府の見解を示されたい。
六 平成二十八年度の防衛白書では、「ロシアは、わが国固有の領土である北方領土においてロシア軍の駐留を継続させ、昨今、事実上の占拠の下で、その活動をより活発化させている」と明示しているが、政府としては、北方領土がロシアの「事実上の占拠の下」にあるという認識であるという理解でよいか。
七 「事実上の占拠の下」の北方領土を「共存の島」にできるということは、政府は、北方領土へのロシア軍の配備を容認ないし黙認した上で日ロの「共存」を目指すという理解でよいか。
右質問する。