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平成二十九年三月九日提出質問第一一八号
稲田大臣の「教育勅語の精神は取り戻すべき」発言に関する質問主意書
提出者 逢坂誠二
稲田大臣の「教育勅語の精神は取り戻すべき」発言に関する質問主意書
稲田大臣は、雑誌「WiLL」(二〇〇六年十月号)における対談記事で次の発言をしている。
「麻生大臣は教育特別委員会での、「教育勅語の内容はよいが、最後の一行がよくない」と言われました。「以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」と言ったような部分が良くないとおっしゃった。
しかし、教育勅語は、天皇陛下が象徴するところの日本という国、民族全体のために命をかけるということだから、私は最後の「朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其コヲ一ニセンコトヲ庶幾フ」という一行も含めて教育勅語の精神は取り戻すべきなのではないかと思っているんです。」(以下、「本件発言」という。)
また三月八日の参議院予算委員会で、教育勅語について「日本が道義国家を目指すというその精神は今も取り戻すべきだと考えている」(以下、「今回発言」という。)と述べた。
本件発言及び今回発言に関して、疑義があるので以下質問する。
二 教育勅語に関しては、一九四八年六月十九日の衆議院の「教育勅語等排除に関する決議」において、「詔勅の根本理念が主権在君並びに神話的国体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い、且つ国際信義に対して疑点を残すもととなる。よつて憲法第九十八条の本旨に従い、ここに衆議院は院議を以て、これらの詔勅を排除し、その指導原理的性格を認めないことを宣言する」とされたと承知しているが、内閣を構成する一人である稲田大臣が今回発言をすることは、「教育勅語等排除に関する決議」に反することになるのではないか。政府の見解を示されたい。
三 稲田大臣は、過去に本件発言を行い、参議院予算委員会で防衛大臣として今回発言を行ったが、「教育勅語等排除に関する決議」の主旨に鑑みると防衛大臣として不適切と思われるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。