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平成二十九年四月二十五日提出
質問第二六三号

米国が提供したとされる電子メール監視システムに関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




米国が提供したとされる電子メール監視システムに関する質問主意書


 朝日新聞は、四月二十五日、日本当局が米国家安全保障局(NSA)と協力して通信傍受などの情報収集活動を行ってきたという米国メディア「インターセプト」の報道を伝えた。NSAが日本の協力の見返りにインターネット上の電子メールなどを幅広く収集できる監視システムを提供したという。NSAは過去六十年以上にわたり、日本国内の少なくとも三カ所の基地で活動し、日本側は施設や運用を財政的に支援するため、五億ドル以上を負担、日本政府と監視機器の提供や情報の共有を行ってきたと指摘している。
 平成二十五年十一月二十五日、参議院国家安全保障に関する特別委員会で岸田外務大臣は、「いわゆるこのエシュロンの事実関係については把握はしておりません。また、三沢飛行場に通信施設が所在していること、これは承知をしておりますが、米軍の運用については政府としては把握をしていない」ものの、「NSAによる通信記録の収集問題等、日米間でしかるべくこの実態把握の意思疎通、先ほど来申し上げているように続けております」と答弁している。
 かかる観点から、以下質問する。

一 米国メディアのインターセプトは、“NSA had provided the Japanese Directorate for SIGINT with an installation of XKEYSCORE, a mass surveillance system the NSA describes as its “widest reaching” for sweeping up data from computer networks, monitoring “nearly everything a typical user does on the internet.””(NSAは日本の理事会に、SIGINTのためのXKEYSCOREを提供した。これは、広範囲を対象とするNSAの大量監視システムであり、コンピューターネットワーク上のデータを収集し、「通常の利用者がネット上でやりとりするほとんど全てのもの」を監視する)と報じているが、このような監視システムが日本政府に提供されたことは事実であるのか。
二 岸田外務大臣が答弁するところの、「NSAによる通信記録の収集問題等、日米間でしかるべくこの実態把握の意思疎通、先ほど来申し上げているように続けております」という日米間の意思疎通には、わが国における通信傍受システムの運用にかかわるものも含まれているのか。
三 米国メディアのインターセプトの公表したNSAの文書には、在日米軍の横田基地の建設工事に関して、“this state of the art $6.6 million, 32,430 square foot facility, paid for almost entirely by the Government of Japan”(この費用は六百六十万ドルで、三万二千四百三十平方フィートの施設であり、そのほとんどが日本政府によって負担された)と示されているが、日本政府が横田基地の通信基地の建設工事の費用を六百六十万ドル負担した事実はあるのか。
四 米国メディア「インターセプト」の公開したNSAの内部文書には、the Japanese Directorateという用語がしばしば用いられているが、日米両政府間の合意に基づいて、かかるthe Japanese Directorate(日本理事会)なる組織が設置されていた、あるいは設置されている事実はあるのか。
五 米国メディア「インターセプト」の公開したNSAの内部文書には、日本国民の私的なメールやネット上でのやりとりを収集、傍受する行為が行われていることが明示されている。このような行為に日本政府が関与しているならば、日本国憲法第二十一条第二項でいう「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」に反するのではないか。政府の見解を示されたい。
六 米国メディア「インターセプト」の公開したNSAの内部文書は、連邦政府内の公的な文書であると信じるべき様態と内容を持っている。つまり、正式なアメリカの行政文書であると考える。当該文書が示唆するように、日本国民の私的なメールやネット上でのやりとりを収集、傍受する行為がほぼ無制約に行われているとすれば、政府はこれらの文書を検証し、対応策を取るべきではないか。見解を示されたい。
七 岸田外務大臣の「三沢飛行場に通信施設が所在していること、これは承知をしておりますが、米軍の運用については政府としては把握をしていない」という答弁を踏まえれば、米軍の運用としては、日本国民の私的なメールやネット上でのやりとりを収集、傍受する行為が行われている可能性は排除しないものの、日本政府はこのような活動に関与している事実はないという理解でよいか。
八 エシュロンは、アメリカを中心に構築されたSIGINTのためのシステムで、NSA主体で運営されていると欧州連合等も指摘しているが、エシュロンについて政府の把握しているところを示されたい。

 右質問する。



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