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平成二十九年五月十五日提出質問第三〇九号
中国が進めるシルクロード経済圏構想「一帯一路」への日本政府の対応に関する質問主意書
提出者 逢坂誠二
中国が進めるシルクロード経済圏構想「一帯一路」への日本政府の対応に関する質問主意書
五月十四日、中国が進めるシルクロード経済圏構想「一帯一路」の国際会議が北京で開幕した。中国の習近平国家主席は、平和や自由貿易の推進に向けて、「一帯一路」構想に関連して千二百四十億ドルを投じることを表明した。この国際会議には、二十九カ国の首脳のほか、国連や国際通貨基金、世界銀行など国際機関の代表が出席している。習主席は開幕にあたり、「開かれた協力の基盤を構築し、開かれた世界経済を維持・拡大する必要がある」と訴え、「公正かつ合理的で透明性の高い世界貿易および投資」の枠組み作りを促すような環境を作り出さなければならないと演説した。
この中国の主導する「一帯一路」構想に関して、日本政府がどのように対応するのかを確認したいので、以下質問する。
二 中国から日本政府に対して、この構想への参加、あるいは当該国際会議への招待の呼びかけはあるか。政府の見解を示されたい。
三 中国からの働きかけの有無にかかわらず、この「一帯一路」構想に、今後、政府はどのように対応するべきと考えているのか。見解を示されたい。
四 岸田外務大臣は、五月十二日の記者会見で、「政府からはですね、松村経産副大臣が二階幹事長に同行してフォーラムに出席すると承知をしています。そして政府としての見方、方針ですが、「一帯一路」構想が、地域の持続的な発展に貢献する上で重要な観点等について、是非、参加者間で有意義な議論が行われることを期待したい」と述べている。岸田外務大臣の発言によれば、自民党の二階幹事長が主たる参加者で、政府からの経済産業副大臣の参加は同行という位置づけであると思われるが、政府には閣僚クラスの出席要請はなかったのか。
五 日本はかつてのシルクロードの極東の終点でもあり、このような経済圏について議論する国際会議への参加は重要なものと考える。北京で行われている「一帯一路」の国際会議へ政府からは副大臣級を派遣し、担当閣僚を派遣しなかった理由は何か。政府の見解を示されたい。
六 インド政府は、この「一帯一路」がインドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方も通過するため、不快感を表している。五月上旬、横浜で開かれたアジア開発銀行の第五十回年次総会に出席するために訪日していたインドのジャイトリー財務相は、「主権問題があるため、大きな不安を抱いている」と表明している。日本政府から閣僚級が出席しないのは、このような国際関係が影響していることも理由の一つか。政府の見解を示されたい。
右質問する。