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平成三十年一月二十二日提出
質問第一号

国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」のフィン事務局長の訪日にかかわる政府の姿勢に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」のフィン事務局長の訪日にかかわる政府の姿勢に関する質問主意書


 平成三十年一月十二日、二〇一七年のノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(「ICAN」という。)事務局長のベアトリス・フィン氏が来日した。フィン事務局長は、事前に安倍総理との面会を政府に求めたが、日程を理由に断られたことを明らかにした。ICANの尽力で実現した核兵器禁止条約に日本は参加していないと承知している。
 フィン事務局長は、広島市内で原爆資料館を見学後、報道陣に「他国の指導者たちとは面会できたこともあり大変残念。特に日本は(被爆という)独自の経験があり、首相や日本政府の方々と話をしたいと思っていた。次の機会に期待している」と述べた。
 菅官房長官は、一月十五日の記者会見で「日程の都合上難しいということで、それ以上でもそれ以下でもない」と述べたが、ICANはフィン氏の東京滞在中に首相と面会できるように、内閣府へ文書により二度要請していたとされる。
 フィン事務局長は、一月十三日に長崎市内で記者からの質問に答え、「北朝鮮で核兵器が使われれば地理的に日本にも影響がある。核兵器の問題では米国の多数の同盟国の中でも特に日本にリーダーシップを発揮してほしい。日本こそ唯一の戦争被爆国で、実体験者はワシントンでもモスクワでもなく長崎、広島にいる。核兵器が使われるとどんな状況になるのか、皮膚がどのように溶け、どんな臭いがするのか分かっているのは日本人だけだ。日本が核兵器禁止条約に署名しても米国との固い同盟は保てる。二国間同盟は一方通行ではないはずだ。安倍首相のリーダーシップで、条約参加のために国民的な議論を開始してほしい」と述べた。
 これらの事実を踏まえて、以下質問する。

一 ICANから内閣府を通じて、安倍総理とフィン事務局長との面談の要請が来ていたのは事実か。またその文書は政府のどの部署がいつ受理したのか。政府の見解如何。
二 菅官房長官は、「日程の都合上難しいということで、それ以上でもそれ以下でもない」と述べたが、安倍総理の外遊日程との調整がつかなかったのであれば、官房長官自身が政府を代表して面談するということは検討されなかったのか。政府の見解如何。
三 外交史を専門とする有識者は、毎日新聞紙上で、「日本政府も最終目標は核兵器廃絶と主張しており、ノーベル平和賞受賞者に敬意をもって応じるのが筋。考えが相いれない団体にも耳を傾ける姿勢は政権の評価を高めたはずで、残念な判断だ」と指摘しているが、安倍総理の日程上難しいとしても、他の政府高官が面談することで、「考えが相いれない団体にも耳を傾ける姿勢は政権の評価を高めた」のではないか。政府の見解如何。また日本政府は、ICANとは考えが相入れないとの認識なのか、この点に関する政府の見解もあわせて伺う。
四 フィン事務局長は、「北朝鮮で核兵器が使われれば地理的に日本にも影響がある。核兵器の問題では米国の多数の同盟国の中でも特に日本にリーダーシップを発揮してほしい」と述べているが、政府は今後どのように核兵器廃絶に取り組んでいくのか。またこのフィン事務局長のコメントに対する政府の見解如何。
五 フィン事務局長は、「日本こそ唯一の戦争被爆国で、実体験者はワシントンでもモスクワでもなく長崎、広島にいる。核兵器が使われるとどんな状況になるのか、皮膚がどのように溶け、どんな臭いがするのか分かっているのは日本人だけだ。日本が核兵器禁止条約に署名しても米国との固い同盟は保てる。二国間同盟は一方通行ではないはずだ」と述べているが、政府の見解如何。特に「日本が核兵器禁止条約に署名しても米国との固い同盟は保てる」との指摘に対する政府の見解如何。
六 五に関連して、「核兵器が使われるとどんな状況になるのか、皮膚がどのように溶け、どんな臭いがするのか分かっているのは日本人だけだ」とのフィン事務局長の指摘に対して、日本政府が何ら対応をしなければ、国際社会から批判を受けると思われるが、政府の見解如何。
七 今後、ICANから再度安倍総理への面会の要請があり、安倍総理の日程と重ならないならば、安倍総理はICANからの要請を受ける準備はあるか。政府の見解如何。
八 日本政府が核兵器禁止条約に署名しない理由は何か。国民に分かりやすく説明されたい。

 右質問する。



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