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平成三十年二月二十日提出
質問第九一号

佐川国税庁長官の公用車の使用等に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




佐川国税庁長官の公用車の使用等に関する質問主意書


 確定申告が始まった二月十六日、千代田区霞が関の国税庁の周辺で、佐川国税庁長官の罷免を求める抗議活動が行われ、千人を超える国民が集まった。抗議活動は全国各地の国税局や税務署周辺でも行われ、「一官吏」に対して国民がこれだけ大規模な抗議活動を起こした事例は稀有である。
 佐川国税庁長官は就任以来記者会見を開いていない。平成三十年二月五日、衆議院予算委員会で、逢坂誠二の質問に対して、麻生財務大臣は、森友学園への国有地売却問題をめぐり、財務省理財局長として答弁した佐川宣寿氏が国税庁長官就任後、記者会見に応じていないことについて、その判断をしたのは「佐川長官本人だ」と答弁した。その理由について、麻生財務大臣は、「国税庁の所管の行政以外に関心が集まっていたことから国税庁で実施しないと決めた」とも述べた。
 二月十四日の夕方、国税庁の庁舎から佐川国税庁長官が退庁する様子が目撃されている。佐川国税庁長官は公用車に乗り、都内のホテルに向かったと報じられている。マスコミ各社の記者が佐川国税庁長官にインタビューするため、自宅前で待機しているものの、佐川国税庁長官は自宅には戻らず、最近は都内のホテルを自宅代わりにしていると報じられている。
 二月十五日、ホテルから佐川国税庁長官は登庁するにあたり、午前七時四十五分に公用車が地下駐車場に入ると、ホテル従業員が十分おきに地下駐車場とホテル正面の車寄せの見回りを始め、佐川長官は一般客用のエレベーターではなく、従業員用のエレベーターで地下駐車場に降り、車が出発したのは九時半であったとされる。佐川国税庁長官を乗せた公用車は霞が関とは別の方向に出発し、通常なら十分以内で到着する距離を三十分以上かけて遠回りし、国税庁に登庁したと報じられている。
 政府は、行政の効率化を推進するとともに、国民に身を律する姿勢を示すため、平成二十四年六月一日の第五回行政改革実行本部で、各府省に公用車の運用の見直しを要請している。「公用車の運用の見直しについて」では、「社会保障・税一体改革において国民負担をお願いする中、政府としても自ら身を切る改革を実施し、一層の効率化及び経費削減に努め、国民に対して身を律する姿勢を示す必要がある。その取組の一環として、公用車の運用の見直しを次のとおり行う」として、具体的な項目が示されている。
 このような事実を踏まえ、佐川国税庁長官の公用車の使用等に疑義があるので、以下質問する。

一 佐川国税庁長官は、就任以後、「公用車による自宅等への継続的な送迎」が行われている状態であるのか。政府の見解如何。
二 佐川国税庁長官は、「公用車の運用の見直しについて」でいう「内閣に置かれる機関及び各省(以下「各府省」という。)において公用車による自宅等への継続的な送迎(以下「送迎」という。)を提供するのは、役職級による一律の基準ではなく、職務の重要度及び緊急度を中心に判断し、次に掲げる者のうちその送迎の必要性が合理的かつ妥当な者に限るものとする」もののどれに該当するのか。
三 「公用車の運用の見直しについて」でいう「公用車による自宅等への継続的な送迎」に関して、自宅以外の都内のホテルは、「自宅等」に該当するのか。政府の見解如何。
四 二月十四日を含む複数の日において、佐川国税庁長官が宿泊している都内のホテルの宿泊費は、国庫から支出されず、佐川宣寿氏の個人的支出であるという理解でよいか。
五 政府の「公用車の運用の見直しについて」では、「社会保障・税一体改革において国民負担をお願いする中、政府としても自ら身を切る改革を実施し、一層の効率化及び経費削減に努め、国民に対して身を律する姿勢を示す必要がある」とされているが、佐川国税庁長官が就任以来記者会見を行わないことに起因し、佐川国税庁長官の乗る公用車が取材しようとするマスコミ各社からの追及を防ぐため、通常なら十分以内で到着する距離を三十分以上かけて遠回りし、国税庁に登庁することは、「一層の効率化及び経費削減に努め、国民に対して身を律する姿勢」に反するのみならず、税金の無駄遣いであり、国税の徴収に関する最高責任者としての資質に欠けるのではないか。政府の見解如何。
六 五に関連して、佐川国税庁長官の公用車は適切に運用されていると考えることは困難である。二月十四日および同月十五日の国税庁長官の公用車の運行記録を明らかにした上で、国税庁長官の公用車が「公用車の運用の見直しについて」に基づいて正しく運用されているか否か、政府の見解を示されたい。
七 二月十四日を前後して、佐川国税庁長官が個人的に都内のホテルに繰り返し宿泊していたのであれば、国税庁長官の公用車使用は不適切ではないか。佐川国税庁長官が自らの支出でタクシー等を利用して、国税庁庁舎から当該ホテルに移動すべきではないか。政府の見解如何。

 右質問する。



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