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平成三十年三月五日提出
質問第一一八号

裁量労働制における偽造比較データ問題に関する質問主意書

提出者  長妻 昭




裁量労働制における偽造比較データ問題に関する質問主意書


 二〇一五年三月に民主党厚生労働部門会議(当時)に政府から示された比較データに偽造があった。これは事実か。具体的にどの点が偽造だったのか。
 この問題のデータは、一般労働者においては法定時間外労働のみを聞き取り、それに八時間を加算して、実労働時間としていた。所定労働時間が八時間未満の事業場があったとすれば、不適切と考えるが如何か。
 所定労働時間が八時間未満の事業場はあったのか。
 この偽造比較データは、ねつ造された疑いがあるが、真実は如何か。一般労働者は一か月で最長の法定時間外労働をした一日を聞き取り、裁量労働制の労働者には平均の一日の労働時間を聞き取り、両者を比較して裁量労働制の方が実労働時間は短いとしていた。誰でも比較してはならないとわかる比較をすることは、意図があったと考えるのが自然だが、真実は如何か。どのような意図があって比較してはならないデータを比較したのか。
 この比較データを作成したのは当時の厚生労働省労働基準局労働条件政策課で間違いないのか。当時は同課には何人の課員がいたのか。作成した人物は特定されているのか。その人物に作成意図を確認すべきと考えるが如何か。首相や厚労大臣、あるいは首相官邸サイドから裁量労働制導入に有利になるようなデータの提示を厚労省にほのめかしたことはあるか。
 ねつ造疑惑を解明するための調査はするおつもりはあるか。
 国会答弁や諸々の会議、打ち合わせで、この偽造比較データを使ったことがあれば、日付とともにお示し願いたい。
 本年三月四日、新聞報道にあったように野村不動産で過労自殺があったことは把握しているか。加藤厚生労働大臣がその事実を把握したのはいつか。国会で野村不動産の不適切な裁量労働制適用事例について質問を受ける前だったのか。野村不動産で過労自殺をされた方は適正な企画業務型裁量労働制の適用労働者だったのか。
 「平成二十五年度労働時間等総合実態調査」(以下、当該調査という)は何件、何事業所でデータの誤りがあったのか。この誤り以外の誤りはもう無いと考えてよろしいか。当該調査をもって「議論の出発点」としたい、と二〇一三年九月二十七日の第百三回労働政策審議会労働条件分科会で、厚労省村山労働条件政策課長は発言している。この発言は、後の高度プロフェッショナル制度導入・裁量労働制の拡大も含む「議論の出発点」という意味での発言だったのか。
 安倍首相は衆議院予算委員会で「答弁は撤回するが、データは撤回しない」との趣旨の答弁をしている。首相のいうデータとは何を示すのか。そのデータには間違いはないのか。データの精査はいつ終了するのか。その精査次第によっては、首相が「データを撤回」することもあるのか。
 今回、裁量労働制の法人営業への拡大を断念した理由をお示し願いたい。データの不備が理由であるとすれば、高度プロフェッショナル制度の導入も断念しなくてはならない。高度プロフェッショナル制度導入を断念しない理由をお示し願いたい。
 年収千七十五万円以上でこれまで過労死、過労自殺をされた方は何人か、お示し願いたい。また、裁量労働制適用者で過労死、過労自殺をされた方は裁量労働制導入以来、何人か。
 裁量労働制を違法に適用して、罰金を科せられた事例は裁量労働制の導入以来何件あるのか、お示し願いたい。
 裁量労働制は労働時間把握が適切になされているのか、適切になされているか否かの調査があれば、調査結果とともにお示し願いたい。
 裁量労働制の拡大や高度プロフェッショナル制度導入の趣旨は、労働者代表のいない産業競争力会議で決定された。それは事実か。このような労働者代表のいない場での働き方の意思決定があった過去の事例をお示し願いたい。
 今回、首相は答弁を撤回・謝罪したが、なぜか。その理由をお示し願いたい。また、一連の偽造比較データ問題に関する政治責任を首相はどう考えるのか、内閣の見解をお示し願いたい。

 右質問する。



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