衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成三十年四月二十七日提出
質問第二五八号

日本政府高官(その人事案件が閣議決定される者)による女性記者へのセクハラ発言と公益通報者保護法の解釈に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




日本政府高官(その人事案件が閣議決定される者)による女性記者へのセクハラ発言と公益通報者保護法の解釈に関する質問主意書


 公益通報者保護法第二条では、「この法律において「公益通報」とは、労働者が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、その労務提供先又は当該労務提供先の事業に従事する場合におけるその役員、従業員、代理人その他の者について通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を、当該労務提供先若しくは当該労務提供先があらかじめ定めた者、当該通報対象事実について処分若しくは勧告等をする権限を有する行政機関又はその者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に通報することをいう」と示されている。
 消費者庁のホームページでは、「職場でのパワー・ハラスメント、セクシュアル・ハラスメントに関する通報は本法の「公益通報」(本法第二条第一項)に当たりますか」との例示に対し、「パワー・ハラスメントやセクシュアル・ハラスメントについても、そのパワー・ハラスメントが暴行・脅迫などの犯罪行為に当たる場合や、そのセクシュアル・ハラスメントが強制わいせつなどの犯罪行為に当たる場合などには、本法の「公益通報」に当たり得ます」と示している。
 平成三十年四月二十四日、テレビ朝日の角南源五社長は記者会見で、財務省の福田前事務次官からテレビ朝日の女性社員がセクハラを受けたと訴えている事案について、女性社員が前次官との会話の録音を外部に提供したことは「公益目的からセクハラ被害を訴えたもので、理解できる」と発言した。この会見では、セクハラがあったとされる同月四日に前次官と女性社員が会食した経緯が具体的に明らかにされた。
 これらを踏まえ、以下質問する。

一 言葉によるセクシュアル・ハラスメントにおいて、相手の女性を不快にさせるわいせつな言葉を投げかけられた場合、このような言動があったことを、公益通報者保護法第二条でいう「これによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に通報すること」は「公益通報」に「当たり得」るとの理解でよいか。
二 公益通報者保護法第二条でいう「これによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者」には、週刊誌の記者や編集者も含まれるという理解でよいか。
三 次に掲げる発言が、日本政府高官(その人事案件が閣議決定される者)の勤務時間外に呼び出され、取材目的で出かけたテレビ局の女性記者に対して、二人で会食を行っている間に政府高官から加えられた場合、消費者庁のホームページでいう「パワー・ハラスメントやセクシュアル・ハラスメントについても、そのパワー・ハラスメントが暴行・脅迫などの犯罪行為に当た」り得るか。
 あ) 「手しばっていい?」との発言
 い) 「抱きしめていい?」との発言
 う) 「胸さわっていい?」との発言
 え) 「パジャマで来ればよかったのに」との発言
 お) 「予算成立したら浮気する?」との発言
四 三に関連して、次に掲げる発言を取材目的で出かけたテレビ局の女性記者が録音し、週刊誌の記者や編集者に提供した場合、公益通報者保護法第二条でいう「これによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に通報すること」であり、「公益通報」に「当たり得」るか。
 あ) 「手しばっていい?」との発言
 い) 「抱きしめていい?」との発言
 う) 「胸さわっていい?」との発言
 え) 「パジャマで来ればよかったのに」との発言
 お) 「予算成立したら浮気する?」との発言
五 四月二十四日、麻生太郎財務大臣は閣議後記者会見で、財務省の福田淳一事務次官の辞任承認を公表し、当該セクハラ疑惑について「はめられて訴えられているんじゃないかとか、世の中にご意見ある」と発言した。公益通報者保護法第一条では「公益通報をしたことを理由とする公益通報者」が不利益を受けないことを目的とし、さらには「行政機関がとるべき措置を定めることにより、公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法令の規定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資することを目的とする」ことが謳われており、十分な調査をせずに「はめられて訴えられているんじゃないか」と国務大臣が揶揄することは立法趣旨に反し、不適切な発言ではないか。政府の見解如何。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.