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平成三十年五月十日提出
質問第二八〇号

海外で再処理の結果生じた放射性廃棄物の返還に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




海外で再処理の結果生じた放射性廃棄物の返還に関する質問主意書


 日本国内の電気事業者(九電力会社、日本原子力発電株式会社)は、日本原燃が青森県六ヶ所村に建設を進めている再処理工場が稼働するまでの間の経過措置として、フランスとイギリスの再処理業者であるAREVA NC(旧COGEMA、フランス核燃料会社)とBNGS(旧BNFL、イギリス原子燃料会社)に使用済み核燃料の再処理を委託する契約をそれぞれ一九七七年九月および一九七八年五月に締結した。
 日本国内の電気事業者は、一九六九年から二〇〇一年の間、使用済み燃料を国外に移送してきた。この再処理の結果発生した放射性廃棄物は青森県六ヶ所村の貯蔵管理センター(「管理センター」という。)に移送されている。
 放射性廃棄物を収納するにあたり、電気事業者には、固型物収納体、低レベル放射性廃棄物ガラス固化体の仕様について、廃棄物自体の安定性の観点から評価を行うことが求められている。廃棄物の安定性については、原子力安全委員会放射性廃棄物安全規制専門部会報告「海外再処理に伴う返還廃棄物の安全性の考え方等について」(昭和六十二年八月原子力安全委員会決定、平成十三年三月一部改訂)において、「安定な固化体であること」、「容器が十分な耐食性を有するものであること」が要求され、固化ガラスの安定性、耐放射線性、熱的安定性、容器の耐食性(内面、外面)、閉じ込め性の項目などについて評価を行い、廃棄物自体が安定性を有していることを確認することが行われている。
 輸送物の安全設計については、放射性物質の閉じ込め、しゃへい等、核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則等に規定される安全要件に適合することが求められる。臨界防止については、輸送物落下等の事故時でも、輸送物が未臨界であることが求められ、落下衝撃時の容器内部構造への影響を解析により確認することが求められる。輸送時の安全性を担保するためには、船及び車両輸送時における適切な輸送物固縛設計を行い、固縛装置の健全性について構造解析により確認することが求められる。
 高レベル放射性廃棄物のガラス固化体は、一九九五年から二〇〇七年にかけてフランスから管理センターに千三百十本が返還されている。二〇一〇年からはイギリスから管理センターへの返還が始まった。
 低レベル放射性廃棄物について、フランスからのものはハル・エンドピース、雑固体廃棄物等が圧縮された上で固体物収納体に格納されて管理センターに返還され、低レベル濃縮廃液についてはガラス固化された上で低レベル放射性廃棄物ガラス固化体として管理センターに返還された。イギリスからの低レベル放射性廃棄物は等価量の高レベル放射性廃棄物ガラス固化体と交換し、管理センターに返還されるものと承知している。
 これらを踏まえ、海外からの放射性廃棄物の移送について、以下質問する。

一 これまでの海外で再処理の結果生じた放射性廃棄物の管理センターへの返還の実態について、搬出元の国別、処理を行った事業者別、廃棄物の区分別に、それぞれの輸送回の返還量および使用した輸送船はどのようなものなのかを明らかにした上で、収納体の安全性については移送を行うにあたり、どの時点で確認するのか、それは収納体の設計時のみか、それとも放射性廃棄物を収納後に各移送毎に行っているのか、政府の見解如何。
二 一に関連して、船及び車両輸送時における適切な輸送物固縛設計を行い、固縛装置の健全性について構造解析により確認することが求められるが、洋上での輸送に用いられる船舶の揺れをどのように評価しているのか。かかる構造解析は船舶の揺れを計算機上で再現するような動的な構造解析であるとの理解でよいか。政府の見解如何。
三 一に関連して、移送時に固縛装置の健全性についてはどのような頻度で確認しているのか。また確認のためのガイドライン等は存在しているのか。政府の見解如何。
四 今後の海外で再処理の結果生じた放射性廃棄物の管理センターへの返還の予定量について、搬出元の国別、事業者別、廃棄物の区分別にそれぞれどのようなものになるのかを明らかにした上で、移送時の収納体の安全性の確認はどのように行うのか明らかにされたい。
五 四に関連して、それぞれの返還の予定量は各年度毎にどのようなものになると考えているのか。そのための海外から管理センターへの移送回数は概ね年何回程度になるのか。今後五年間の予定を示されたい。

 右質問する。



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