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平成三十年七月十三日提出質問第四四三号
赤坂自民亭と現行の法令上の緊急事態条項の追加に関する質問主意書
提出者 逢坂誠二
赤坂自民亭と現行の法令上の緊急事態条項の追加に関する質問主意書
平成三十年七月十一日、西村康稔官房副長官はBS放送の番組に出演し、安倍総理らとともに同月五日夜に衆議院議員宿舎で行われた自民党議員の懇親会に出席し、その集合写真を自身のツイッターに投稿したことについて、「多くの方々に不快な思いをさせてしまい、おわびを申し上げたい。反省もしている」と陳謝した。
同月五日夜は、東日本から西日本の広い範囲で記録的な大雨になる恐れがあると気象庁が発表していたが、西村官房副長官は港区赤坂の衆院議員宿舎で開催された「赤坂自民亭」に出席し、安倍総理ほか、岸田文雄自民党政調会長らが出席していたと承知している。
西村官房副長官は懇親会終了後の午後十時頃、グラスを持った笑顔の集合写真とともに「和気あいあいの中、若手議員も気さくな写真を取り放題!」とツイッターに投稿した。
西村官房副長官は当該BS放送の番組で、懇親会が開かれていた時点で「大雨特別警報」は出ていなかったことを念頭において、「大雨被害が出ている最中に会合をやっているかのような誤解を与えた」と陳謝した。同会合には小野寺五典防衛大臣も出席していたが、同月十一日、小野寺大臣は、「連絡体制はしっかりとっており、特に対応が遅れたとかいうことはない」と記者団に説明した。
これらを踏まえて、以下質問する。
二 「平成三十年七月豪雨」の被害がまさに発生しているにもかかわらず、赤坂自民亭を開催して歓談を行ったことは、「多くの方々に不快な思いをさせてしま」ったことや「大雨被害が出ている最中に会合をやっているかのような誤解を与えた」に過ぎず、また「特に対応が遅れたとかいうことはない」という認識でよいか。「平成三十年七月豪雨」への政府の対策は瑕疵なく行われていたという理解でよいか。これらについて、その根拠とともに政府の見解を明らかにされたい。
三 平成三十年三月七日、自民党憲法改正推進本部役員会で大規模災害などに対応する緊急事態条項の条文案について協議したと承知している。この役員会での協議では、国会議員の任期延長に加え、政府への権限集中や国民の権利を制限する規定を設けることで一致したと報じられている。同本部の細田博之本部長は「緊急事態の規定が存在する国は多いが、日本国憲法にはない。議論が重要だ」と強調している。今次の赤坂自民亭を巡る政府首脳らの言動を見る限り、「連絡体制はしっかりとっており、特に対応が遅れたとかいうことはない」との発言などもあり、新たに現行憲法や法令に緊急事態条項を付け加える必要性は低いと言わざるを得ない。死者が二百名を超える(七月十三日現在)と確認されている大規模災害にもかかわらず政府首脳らが赤坂自民亭を開催していた事実は、「連絡体制さえしっかりととって」あって、適切な指示が政府首脳らから出されていれば、現行の法令上、緊急事態条項を付け加える必要性はないという理解でよいか。政府の見解如何。
四 「平成三十年七月豪雨」に関連して、法制度の不備などを痛感し、やはり現行の法令上に緊急事態条項を付け加えることが政府としても必要であると考えているのか。政府の見解如何。
五 現時点で必要なことは、まずは政府首脳らの大規模災害への真摯な取り組みやその心構えであり、政府への権限集中を容認する憲法改正や法令の改正ではないのではないか。政府の見解如何。
右質問する。